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魔法少女リリカルなのはForceNEXT Design05 より鮮烈に、より美しく――25歳になったフェイトの姿がここに。4期において開示される、「リリカルなのは」の新しいカタチ フェイト・T・ハラオウン×バルディッシュアサルト ライオットブレードII ライオットザンバーII バルディッシュアサルト ライオットブレードII フェイト執務官の愛機の進化機体。 もともと二刀一対だった「ライオットブレード」を連結使用できるように仕様と性能が変化しているが、 バルディッシュの本体は手を加えられることなく残っており管制を行っている。 本機はフェイトとバルディッシュの意志により第五世代デバイス運用理論および素材技術におかえる実験機として稼働している。 「魔力無効」状況における活動を行えるよう、CW社系とは別のことなる独自の変換技術を採用し、術者の魔力を機体内に蓄積、変換して活動するシステムを保有している。 バルディッシュアサルト ライオットザンバーII 大剣「ライオットザンバー」の進化形。詳細なスペックは公開されていないが、 個人武装としては完全にオーバースペックとなる「対艦/空域制圧」レベルの制圧能力を想定しているというデータが明かされている。 CW社製のAEC装備が「魔力を完全な物理エネルギーとして変換する」という思想なのに対し、 第五世代デバイスは「魔力無効化状況下でも魔力を魔法として使用できる」「魔力有効化状況下においてはさらなる強化を得る」という思想で設計されている。 このため、第五世代デバイスは魔力無効状況下でも純粋魔力によらず、衝撃・スタンなどの非殺傷効果を発生させることができるほか、 魔力有効状況下ではさらに強力な効果を得ることのできるこの「第五世代」は、しかし現状では運用が極めて難しく、 電気・炎といった「先天変換性質」保有者や、極めて精緻な魔力コントロールを行える術者以外では稼働出力が安定しない、 現状ではエネルギーロスが多く、長時間運用が難しいという欠点をもつ。 そういった意味でも、これら第五世代機は、「違法兵器」の思想として「魔力無効」が当たり前のようになりつつある現在、 「魔法」が平和を守る力として通用しうるかどうかの試金石であるとも言える。 設定画 合体シークエンス 1片方の柄尻が180度回転します。2柄尻同士を接続します。3柄の下半分を収納します。4完成!! 二刀←→ダブルブレードの切り替えは一瞬です。戦いの中で流動的に切り換えます。刃の形状は変化します。 ダブルブレード化 必要に応じてダブルブレードと二刀流を切り換える感じ
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リリカル遊戯王GX 第三話 飛べスバル! ペガサスに乗る魔法拳士! 「レイ、大丈夫か!?」 「じゅ、うだい……」 レイの悲鳴で飛び起きた十代とオブライエンは、途中でヨハンとアモン、なのは達と合流しながらレイの下へ向かった。 倒れていたレイを十代が慌てて抱き起すと、レイはわずかに目を開けて苦しそうに言葉を絞りだす。 「十代……マルっちが……一年の、加納 マルタン君が……」 「マルタン? そいつがどうしたんだ?」 「オレンジ色の影に、襲われて……」 「なっ!?」 オレンジの影、十代は自分たちがこの世界に飛ばされる直前に出会った人影を思い出す、 まさかそいつがアカデミアに入り込んでいるとは思ていなかった。 十代が考え込んでる間に、ヨハン達は二手に別れマルタンの捜索を開始する。 「十代君、その子の肩を見せて」 「なのはさん? あ、ああ……」 なのはに言われるまま、レイの肩口をなのはへと向ける。 その肩には痛々しい、明らかに普通ではない傷があった。 「何なんだ、この傷は……!」 「そこまではわからないけど、このままじゃ危険だね」 「くそっ、早く保健室に――」 「待って、その前に簡単な回復だけでも……」 言いながらなのはは治療魔法をレイへとかける。 多少レイの顔色はよくなったが、肝心の傷は少し塞がっただけだった。 「これは……この傷自体が魔力を消している……?」 「治せないのか?」 「ごめん、私じゃ体力を回復させることが限界みたい」 「いや、十分だぜ。俺はレイを保健室に連れていくよ」 シャマルさえいればなんとかできるかもしれないのに…… なのはは自分が無力だと沈みかけるが、今はそんな場合ではないと十代と共にレイを保健室へと連れていく。 「貴様・・・・・・!?」 図書室に来たアモンは目の前の光景に驚愕する。 レイと一緒にいたはずのマルタンが――左腕がモンスターのようになっている――どうやって作ったか、玉座のような椅子に座っていたのだ。 「何故だ、何故この少年を選んだ? お前が望んでいるものは何なんだ! 俺たちをこの世界へつれてきたのはお前なんだろう!?」 「ああ、アモン、やはりお前は賢い」 「っ!?」 「ボクの僕として働いてくれないか? 人間としてのお前の知恵を貸してほしいんだ」 マルタンが手を差し伸べる。 アモンはその手を睨みながら思考を巡らし―― 結局その後もマルタンを見つけることはできず、早朝に十代達は保健室へ集まっていた。 レイは傷の影響か、高熱を出して寝込んでいる。 なのはが再び魔法をかけるが、ほとんど効果はない。 「この感じ、AMFに似てるね、体に触れた途端に魔力が消えてる」 「魔力が消される……レイちゃんを襲った奴は通信や転移を封じてる奴と同じ……?」 フェイトとティアナは思考を巡らせるが、さすがにこれだけの情報からでは大したことはわからない。 魔法が効かないとなると通常の医療技術が頼みだが、鮎川も首を横に振る。 「保健室の医薬品じゃ足りないの、この薬が必要なんだけど……」 「……聞いたこともねぇ」 鮎川にメモを渡されるが、十代にはさっぱりだ、 横からオブライエンが覗き込み、無表情でいることの多い顔を顰める。 「専門的な薬品だ、このような世界で見つかるかどうか……」 「そんな、それじゃレイは!」 「待て、薬ならあるかも知れないぞ」 思わず叫びそうになる十代を、三沢の声が静止する。 一同の視線が三沢に集まり――いくつか「そういえばいたっけ……」という視線があるのを感じ少し落ち込みかけるが、気を取り直して言葉を続ける。 「ここに来る途中、なのはさん達と出会う前に潜水艦を見つけたんだ」 「潜水艦!? こんな砂漠に?」 その場の全員が信じられないといった反応だったが、 ただ一人、アモンだけが必要以上に動揺していることにティアナは気づく。 だがその事を追及するよりも前に「どこかの軍の物なら専門的な医薬品もあるかもしれないな」と言われ、タイミングを逃してしまう。 確かにその通りだ、何らおかしいところは無い――だが、今の反応が妙に気になった。 「スバル、あのアモンって人、注意して見てて」 「ティア? うん……いいけど」 ただの気のせいかもしれない可能性の方が高いのだ、迂闊にトラブルの種になりかねない話題を広めるべきではない。 そう判断し、すぐ横にいたスバルにだけ自身が疑いの念を持っていることを伝える。 自分の気のせいなら問題無し、 もしも何かよからぬ事を企んでいたとしたら……その時は何としても止めなくてはならない。 「それじゃ、アカデミアは任せたぜ」 「ふっ、この万丈目サンダーに任せておけ」 「イヤン、兄貴格好いい~」 「……貴様らは黙っていろ」 十代・ヨハン・オブライエン・ジム・アモン、そしてスターズ隊が潜水艦へと薬や食糧等を探しに行く事となった。 残るメンバーはモンスターがアカデミアに来た時のための防衛要員である。 「フェイトちゃん、そっちをお願いね」 「うん、なのは達も気を付けて」 スターズが行くことになったのは、エリオやキャロよりもスバル達の方が体力が高いから、 そして、ティアナがアモンといる事を希望したからだ。 「……なのは、どう思う?」 「私はティアナがそう判断した材料を見逃しちゃったからなんとも言えないよ、今はティアナ達に任せるしかない」 なのはとフェイトはティアナが疑惑の眼でアモンを見ていることに気づいてはいた、 ただ、ここで自分たちも必要以上に疑いをかけるとどうしても不自然になってしまい、いらぬ争いを生む可能性が高い。 今はティアナに任せるのみである……ただでさえ、この二人は嘘が下手なのだから。 「マルタンが、マルタンが見つからないのであ~る!」 「ナポレオン教頭、少しは落ち付くノーネ」 校長室――だがアカデミアの校長、鮫島は学園にはいなかった――で、ひたすら嘆き続けるナポレオンをクロノスは持て余していた。 十代達からマルタンが行方不明になったと聞かされてから、ずっとこの調子なのだ。 「教頭、加納 マルタン君と何か関係があるノーネ?」 「な、な、ないのであ~る! せ、生徒の無事を願うのは教師として当然のことであ~る!」 間違いない、何か関係があるようだ。 だがこの様子では詳しいことは言わないだろう、何よりそれが事件解決の鍵になる訳がない。 そう考え、クロノスは半ば無理矢理潜水艦の探索へと向かった十代達が早く帰ってくることを祈るのであった。 「それにしても……鮫島校長は肝心な時にいつもいないノーネ」 その頃、十代達の元の世界…… 「これは……いったいどういうことだ」 鮫島は呆然としながら目の前の光景を見ていた。 デュエルアカデミアのある島、その一部が、ぽっかりと削り取られたように消失していたのだから無理もない。 尚も呆然とする鮫島だったが、上空からやってきたヘリの音に我を取り戻す。 「ミスター鮫島、お久し振りデ~ス!」 「ペガサス会長!」 ヘリから降りてきた銀髪の男、デュエルモンスターズを作り出したペガサス=ジェイ=クロフォードと握手をかわす。 ペガサスもアカデミアが消えた情報を入手し、急きょ駆け付けたそうだ。 不安そうに生徒たちの無事を祈る鮫島に、ペガサスは優しく声をかける。 「大丈夫です、ミスター鮫島」 「……ペガサス会長?」 「行方不明になった生徒の名簿には、十代ボーイの名前もありました。十代ボーイはミラクルボーイ、きっとこの事件もなんとかしてくれマース」 「……はい」 ――私たちは無力デース、ですが、決して諦めはしまセーン。だから十代ボーイ、不安に怯える生徒たちを勇気づけてあげてくだサーイ 更に同刻、とある時空世界…… 「主はやて! それは本当ですか!?」 「どうやらそうみたいや……まさか、こんなことになるなんて……」 「は、はやてのせいじゃねぇよ! だからそんな顔しないでくれってば!」 なのは達との連絡が取れなくなった事を伝えられ、はやて、そしてその守護騎士であるヴォルケンリッター達はかなり動揺していた。 通話だけでなく、転移することさえできなくなってしまったというのだ、 その仕事を持ち込んだはやてとしては、自分のせいだと思わざるおえない。 「……主はやて、テスタロッサ達なら少々の困難、平気なはずです」 「それは、私も十分承知や。だけど……」 「はやてちゃん、私たちは誰よりなのはちゃん達の力を知っているはずよ……信じましょう」 「そうだよ! なのはとスバル達ならきっと全員無事に帰ってくる!」 シグナム達が次々と励ましていくが、はやては相変わらず顔を上げられなかった。 そこで、今まで黙っていたザフィーラが口を開く。 「主、そこまで不安ならば、直接行くしかない」 「ザフィーラ……だけど、それは無理や、ここの事件が……」 「わかっています。だからこそ、今は俯き止まっている場合ではない。早急にこの事件を解決し、高町なのは達の救援に」 「――っ、そう、やな……そうや、今はこの事件を終わらす、それしかない! いくで、みんな!」 『はい(おう)!』 ――なのはちゃん、フェイトちゃん、みんなもう少しだけ待ってて! 私らも、すぐに行くから! 「なあ、せっかく精霊を実体化できるんだしさ、ネオスに乗っていかねぇか? あっという間だぜ!」 「いや……昨日サファイヤ・ペガサスを召喚した時デスベルトが作動した、カードを使うのは慎重になったほうがいい」 まるで新しい玩具を買ってもらった子供のように十代が言うが、すぐにヨハンが静止する。 「ちぇ、せっかくなのにな……」 「クリクリー?」 「あはは、はねクリボーはいいんだよ」 笑いながらはねクリボーとじゃれる十代を見て、ヨハンは何か言おうとするが、なのはに止められる。 そのままなのはが十代と目線を合わせるようにかがみ、肩を掴みながら語りかけた。 「十代君、これは遊びじゃない、人の生死がかかっていることなんだよ。 勿論私達は君たちを守ることを優先する、だけど、それでも守りきれない可能性は十分にある。 その時、迂闊な行動を取ったら高い可能性でその人だけじゃなく、他の人も死ぬ……ここは、そういう世界なの」 「っ……ああ、わかってるてば、ごめん」 真剣な瞳でじっと見つめられ、初めは適当な返事をしていた十代もこの状況を正常に理解してきたようだった。 それを察すると、なのはは一転して笑顔になる。 「うん、それじゃあ急ごうか、レイちゃんが待ってるよ」 「よっしゃあ! 早く行こうぜ!」 あっという間に立ち直り、さっさと自分一人だけで先行してしまう。 「……少し、頭冷やさせたほうがいいかな?」 「やめてあげてくださいなのはさん、お願いですから」 マルタンは十代達が外へ向かったのを見て、笑いながらその左腕に意識を集中させる。 するとその腕がまるでデュエルディスクのように変化し、マルタンは一枚のカードを取り出しセットした。 「砂漠の僕を、君たちに送ろう・・・・・・」 「あ、あれ潜水艦じゃないか!?」 「本当だ・・・・・・っておい十代! 一人で行くな!」 「ヘイ十代! 足元に気をつけろ!」 「へ? うわわ!?」 ジムの忠告を受けた直後、十代の足元が突然蟻地獄のようになり十代は砂に飲み込まれていく。 「いかん! ロープを……」 「マッハキャリバー!」 『Wing Road』 オブライエンが命綱を用意して飛び込むよりも速く、 スバルが魔力で作った道を十代のところまで伸ばし引き上げる。 「大丈夫!?」 「あ、ああ……すっげぇ」 「トラップ発動、マジックジャマー!」 その声が聞こえた瞬間、スバルは自分の直感を信じ十代を蟻地獄の外まで投げ飛ばす。 そして次の瞬間――ウイングロードは消えスバルが蟻地獄へと落とされた。 「スバル!?」 「今のは、マジックジャマー、魔法を一つ打ち消す罠だ!」 ヨハンの説明になのは達は顔を青くする。 まさか問答無用で魔法を打ち消すなどと、理不尽なカードがあるとは思わなかった、 もしもそんなカードが何枚もあるのだったら自分達にとっては致命的だ。 「アモン、このロープを頼む!」 「あ、ああ……」 オブライエンが自分の腰に巻きつけたロープをアモンに渡し飛び降りる。 砂に埋もれていくスバルを捕まえるが、蟻地獄の中心の砂が盛り上がり、一人――一匹と言うべきだろうか?――のモンスターが現れる。 ―岩の精霊 タイタン― 攻撃力1700 防御力1000 効果モンスター 「我が聖なる砂漠に入りし邪なる者達よ、岩の精霊 タイタンの名に置いて成敗する!」 「あれは、デュエルディスク!?」 タイタンの左腕に装着されている機械、十代達のものとは形状が違うが、それは間違いなくデュエルディスクだった。 そのディスクを見て、ヨハンは自分のディスクを作動させる。 「ヨハン!? ここは俺が……」 「いや、みんなはオブライエンとスバルを頼む!」 十代を制しヨハンは皆と少し離れた場所でタイタンと向き合う。 「異世界の者よ、貴様が相手か」 「ああ! いくぜ、デュエル!」 ―タイタン LP4000― ―ヨハン LP4000― 「私のターン、サンド・ドゥードゥルバグを召喚!」 タイタンがディスクにカードをセットすると、蟻地獄の中心に蠍とも蟻地獄ともとれないモンスターが現れる。 ―サンド・ドゥードゥルバグ― 攻撃力1200 防御力800 効果モンスター なのは達は初めて見るが、これがデュエルモンスターズの基本の流れなのだ。 ヨハンがデュエルをしている間にスバル達を引っ張りあげようとはするのだが、蟻地獄に囚われ中々上手くいかない、 飛行魔法で助けに行くことも考えたが、またあの罠カードを使われたら重量が一人分増えるだけである。 「スバル、ウイングロードは!? 例え消されても一瞬だけでも出せればあんたならこっちまで跳べるでしょ!」 「ダメ、さっき消された時から魔力が結合してくれない!」 ティアナが苦し紛れに考えた策もあっさりと却下される、 それを見ながらヨハンは決着を急ごうとカードを引く。 「俺のターン! アメジスト・キャットを召喚!」 美しい毛並の豹のようなモンスターが召喚される。 ―宝玉獣アメジスト・キャット― 攻撃力1200 防御力400 効果モンスター 「頼むぞ、アメジスト・キャット!」 「任せといて!」 「アメジスト・ネイル!」 アメジスト・キャットがタイタンの召喚したモンスターへ飛び掛るが、 その相手が砂の中に潜ってしまい振りかざした爪は空を斬る。 「何!? 宝玉獣の攻撃を回避するなんて……!」 「やはりこの世界でもデュエルモンスターズの基本は成り立っている。 あのモンスターはフィールドが砂漠の時、1ターンに一度だけ攻撃をかわすことができるんだ」 アモンの冷静な考察に、ジムはある事を思い出し表情を強張らせる。 「おい、そうなるとこの蟻地獄は……!」 「メサイアの蟻地獄だとしたら、レベル3以下のモンスターは召喚されたターンの終了時に破壊される……!」 「そんな、ヨハン!」 「くっ、アメジスト・キャット!」 その危惧は当たり、アメジスト・キャットはどんどん砂の中へと沈み込んでいき、倒される。 アメジスト・キャットの効果によってその宝石がヨハンの横に現れるが―― 「まずい! ヨハンの場はがら空きだ!」 「ふはは! サンド・ドゥードゥルバグで攻撃!」 相手モンスターの直接攻撃に備えてヨハンは身を堅くする。 しかしいつまで経っても攻撃が来ることは無く、顔を上げ…… 「スバル!」 「何だと!?」 サンド・ドゥードゥルバグはヨハンではなく、スバルの足にその強靭なアゴで噛み付いていた。 スバルは痛みを必死で堪え振り払うが、すぐ側のオブライエンはヴァーチャル映像による痛みとは比べ物にならない、 本物の傷みというものがスバルを襲っている事に気づいた。 実際にスバルが傷ついていてもなのはは動けなかった、いつの間にかタイタンの場に伏せられている一枚のカード、 デュエルについてはよく知らないなのはだったが、あのカードから受ける感覚、それは先ほどスバルのウイングロードを消したのと同じものだ。 ――恐らくあれも魔法を解除する罠……間違いなく、敵は私達の存在を知って対策を取っている! 「貴様! 何故俺を狙わない!?」 「何を言っている? 確実に仕留められる獲物からやっているだけだ。 これは貴様らのやっていた児戯等とは違うことがまだ理解できんか!?」 「児戯だと……!」 今まで自分達が真剣に向き合ってきたデュエルを馬鹿にされヨハンの頭に血が上る、 それは彼の思考を短絡化させ、戦略を安直な物へと劣化させていってしまう。 「砂漠では確かに宝玉獣の方が圧倒的に不利、ならば空から攻撃だ! コバルト・イーグルを召喚!」 「よっしゃ、久々ー! やってやるぜ!」 ヨハンの場に新たな宝玉獣が現れる。 ―宝玉獣コバルト・イーグル― 攻撃力1400 防御力800 効果モンスター 先ほどのスバルへの攻撃で、これは普通のデュエルでは無いことがわかった。 ――ならば、こういう事も! 「行け! コバルト・ウイング!」 「おっしゃぁ!」 通常のデュエルではまたモンスター効果で攻撃を無効化されるだけだろう、 だが、アメジスト・キャットよりも遥かにスピードのある攻撃で潜る前に捕えられれば―― 「砂漠の守りを甘く見るな!」 「何!?」 突如コバルト・イーグルの真下から砂が吹き上がり、コバルト・イーグルを空高く吹っ飛ばす、 これは完全にヨハンのミスだ、普段の彼ならばこんなミスはしなかっただろうが、先ほどの挑発にまんまと乗せられてしまった。 「ふっ、貴様の場はまたがら空きだな!」 「しまった!」 コバルト・イーグルはまだ体勢を立て直せていない、 これが普通のデュエルならば場にモンスターがいる以上プレイヤーへは攻撃できないだろうが、あいにくこのデュエルは普通じゃない。 「行け! サンド・ドゥードゥルバグ!」 「うわああああ!!」 先ほどとは逆の足に噛み付かれ、スバルは今度こそ悲鳴を上げる。 このままでは自分を掴んでいるオブライエンも危険だ、何度も「自分の事はいい」と言おうと思ったが、 それでは意味がない、自分がいなくなれば今度はヨハンが直接狙われるだけなのだ。 だが、冷静さを欠いたヨハンでは1ターンに一度攻撃を回避するあのモンスターへの有効策は思いつくのに時間がかかるかもしれない。 ――1ターン……? 一度だけ…… そこでスバルはある対抗策を思いつく、うまくいくかどうかわからない、自分の相棒、そして憧れの人物がこちらの狙いに気づいてくれなければ―― ――いや、絶対に気づいてくれる! スバルの心に、この二人に対する疑いなど欠片もない。思うが早いか、スバルは声を上げる。 「ティア! クロスシフトD!」 「なっ!? 何言ってるのよスバル! こんな状況で……それに、魔法は消されちゃう!」 「――っ!? ティアナ、スバルの言う通りにして、ヨハン君! お願い、スバルに翼を!」 スバルとなのは、二人の言葉にタイタンを含む全員が困惑する、 しかしヨハンはいち早くその意味に気づき、カードを引き当てる。 「サファイヤ・ペガサス、召喚! サファイヤ・トルネード!」 「ちぃ、無駄だ! サンド・ドゥードゥルバグにはどんな攻撃も効かぬ!」 タイタンの言葉通り、サファイヤ・ペガサスの放った竜巻もかわされてしまう、 だが、ヨハンは不適に笑いかける。 「確かに宝玉獣の攻撃でさえもそいつには効かない、だが、それは1ターンに一度だけだ!」 「何を言うかと思えば、コバルト・イーグルはまだ攻撃できる状態ではな――!?」 「そう、デュエルに関わらなくても攻撃できる人はいる……あなた自身がスバルを攻撃したことで教えてくれた!」 なのはがサンド・ドゥードゥルバグへと狙いをつける、 タイタンはその姿に慌てて場のカードを発動させた、それが狙いだとも気づかずに。 「ディバイーン、バスター!」 「罠カード! マジックドレイン!」 発動された罠によってなのはの魔法はかき消され、タイタンは冷や汗を拭う、 だが、直後に聞こえた声によってその表情は凍り付いてしまう。 「クロスファイア……シュート!」 「しまった! 罠が間に合わん!?」 「うおおおぉぉぉぉ! クロスファイア……バスター!」 タイタンが対抗策を思案する間も与えず、 オブライエンに頼んで投げ飛ばしてもらったスバルは、サンド・ドゥードゥルバグに魔力球を叩き付けて破壊する。 「ぐぅぅぅ!!」 ―タイタン LP3400― 「タイタンのライフが減った!?」 「まさか、ガール達のマジックにも攻撃力があるのか!?」 「くっ! だが、そのまま砂に埋もれることは避けられまい!」 この時にタイタンの犯したミスは二つ。 一つはなのは達への牽制は一回で十分だとトラップカードを一枚しか伏せておかなかったこと。 そしてもう一つは、本来のデュエル相手であったヨハンを軽視しすぎたことだ。 「サファイヤ・ペガサス!」 「お嬢さん、大丈夫か?」 「うわぁ! ありがと、このまま行こう!」 「おう!」 スバルが砂に叩き付けられる直前、スバルはサファイヤ・ペガサスの背に乗せられ助け出される。 そのまま驚愕しているタイタン目掛け、体勢を立て直したコバルト・イーグルと共に攻撃をしかける! 「ディバイーン……トルネード!」 「コバルト・ウイング!」 「ぐわあああああああ!!」 ―タイタン LP0000― 「やったぜ、ヨハン!」 タイタンは倒れ、蟻地獄も消えていく。 ヨハンの下へみんなが駆け寄り、デスベルトが作動しヨハンは顔を歪める。 「ヨハン、大丈夫か?」 「ああ、俺は平気さ、それよりすまない。俺のせいで余計な怪我をさせちまった」 「ううん、全然平気だよ、丈夫さだけが取り得だから!」 謝るヨハンに、ペガサスに乗ったままのスバルは笑いながら返す。 その様子を見ていたなのはは、妙な事に気づいた。 「スバル……傷は?」 『え?』 全員がスバルの足を見る。 そこにはモンスターに噛み付かれた痛々しい傷跡が―― 「……ない」 「スバル、立てる?」 「えっと……うん、平気、歩けるし全然痛くないし……あ、ちょっと離れてて、ウイングロード!」 困惑しながら、試しに先ほど発動できなかった魔力の道を生み出そうとすると、あっさりと作り出される。 「これって、どういうことなんだ?」 「デュエルの最中に受けたものは、デュエルの時にしか残らない、って事なのかも……」 「そうか、ライフポイントもデュエルごとにリセットされる、そう考えれば納得できる」 多少無理矢理なところがあるが、そうと考えるしかない。 十代達はそう結論付けて潜水艦へと足を進めるのだった。 続く 十代「くっそぉ! 潜水艦の中でまで襲ってくるなんて! 急がないとレイがやばいってのに!」 なのは「落ち着いて十代君、出口を塞がれたなら、別の場所に作ればいい!」 次回 リリカル遊戯王GX 第四話 潜水艦の罠! 打ち破れディバインバスター! 十代「すっげぇけど、怖ぇ……」 なのは「……何か言ったかな?」 十代「今回の最強カードはこれ!」 ―ペガサスに乗った魔法拳士― 攻撃力2400 防御力2000 融合カード 「スターズ3 スバル・ナカジマ」+「宝石獣サファイヤ・ペガサス」 守備モンスターを攻撃した時そのモンスターを破壊する(ダメージ計算は行う) 守備モンスターの守備力より攻撃力が勝っていた場合、その分だけダメージを与える なのは「スバルに翼を与えてくれた、ヨハン君に感謝しないとだね」 十代「それじゃ、次回もよろしくな!」 前へ 目次へ 次へ
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何処かで誰かが悲鳴を上げている。 ― 魔法士【sorcerist】 ― それは、悲劇で ― モールド【mold】 ― あるいは、不幸で ― 魔族【The malevolent】 ― 世界は、きっと優しくなんかなくて 「クソッタレッ今日だけで4件だぞッ! 一体何が起こってるッ?!」 人は、きっとそんな世界に翻弄されるしかなくて 「シャロン……あなたも感じるの?」 「にゃぉ」 「……不思議な気配。魔族…違う。もっと、温かい……」 ……それでも 「おぉぉおおおおぉぉぉッ!顕(イグジスト)ォォッ!」 それでも、この世界には 「……流石に……こいつはもうだめかもしれないな……」 悲劇を、不幸を、優しくない世界を、変えようとする者がいて 「いくよッレイジングハート!」 <All right.> 「バルディッシュ、一瞬で決める!」 <Yes,Ser> あるいは、それもまた世界が望んだ物語で 「冗談だろ……オイ。ありゃなんなんだ、俺は夢でも見てるのかね」 「い、いえ……多分、私も見てるから夢じゃないと思います……」 だからそう、きっとこの出会いも、定められた必然で 「皆さん、大丈夫でした?」 「…怪我…してません…か?」 その日、戦術魔法士(おとこ)は魔法少女(てんし)達と出会った。 魔法少女リリカルなのは x ストレイトジャケット 「ショウジョタチのツバサ ~The Angels~」 単発総合目次へ その他系目次へ TOPページへ
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突っ走る女 ◆HlLdWe.oBM 赤い血に染まったかのような夕日が沈む事でデスゲームの会場も再び夜となった。 夕日に代わって満月が煌々と輝く天に対して、血で血を争う地には暗い影が広がっている。 そんな闇の時間へと移行した会場の東方に位置するホテル・アグスタから少し離れた林の中。 月の光さえ満足に通らない林の中で一際暗く影を漂わせている場所があった。 そこには薄汚れたベージュ色のコートを着た一人の男が木に腕を付いて荒く息を吐いていた。 (……俺は何がしたいんだ?) その男――闇の狩人ジョーカーである相川始は悩んでいた。 きっかけは先程おこなわれた3回目の定時放送。 なぜか放送の主はプレシアではなかったが、今の始にはどうでもよかった。 それ以上に始は放送を聞いた自分の心境に戸惑っていたからだ。 参加者をミラーワールドに引きずり込み、二人の生贄を無残に殺して新たな殺し合いを目論んだ狂人、浅倉威。 彼の死に僅かな安堵を。 ギンガが気にかけていて、川岸に追い詰めたものの突然の禍々しさのせいで殺せなかった少女、キャロ・ル・ルシエ。 まだ一度も会った事はなかったが、天音の友人だったかもしれない少女、フェイト・T・ハラオウン。 彼女達の死にはいささかの哀悼を。 ふと放送を聞き終えた時、それぞれ異なった感情をいつのまにか抱いている自分に気付いたのだ。 そして、その感情は気のせいか前回の放送よりも強い感情のように思えた。 (……俺はジョーカーだぞ!?) 最初はここにいる全員を殺して栗原親子の元へ帰る事が唯一の目的だった。 だからこそ出会った参加者を次々と襲い続けていた。 だがあの神を自称するエネルという参加者の存在を知った時、始の中でこのバトルファイトに対して拭いきれない疑念が生じた。 いや、それがそもそも間違いだったのか。 これはバトルファイトの延長ではなく、ただプレシアが引き起こしたイレギュラーな事態。 それなら別にここで優勝しようがどうしようが、本来のバトルファイトに影響はないのではないか。 本当はそれを口実に目を背けようとしていただけではないのか。 (それがどうした! もう俺は……) だが今の始は傍目からそれとなく分かるほどとても危うい状態だ。 ミラーワールドでのジョーカー化はこちらに戻った事で一応解決した。 もしもあのまま戦い続けていれば今の始は既にいなくなっていただろう。 それほどまでに今ではジョーカー化の欲求を抑えるのが苦しくなっているのだ。 今も放送を聞いただけで胸の奥で先程の感情とは別にどす黒い感情が蠢いている。 だが本来なら1日も経たないうちにここまでジョーカー化の欲求が強まるのは異常だった。 どうやらここに来てから感情の揺れ幅が大きくなりやすい気もする。 それはもしかして殺し合いを促進するためにプレシアが仕掛けた細工か、あるいは――。 (とにかく今は誰にも会わない方がいい) だが今の始にとって真相は二の次。 こうして人気を避けているのも全ては今この状態で誰かに会えば自分を抑えきれるか自信がなかったからだ。 だから一度ホテルから離れて心を静めているのだ。 だが、そんな状態だからこそ始はすぐに気付けなかった。 「――――ッ!?」 自らに迫り来る鋼鉄の脅威に――。 【1日目 夜】 【現在地 F-9 ホテル・アグスタから伸びる道路上】 【相川始@魔法少女リリカルなのは マスカレード】 【状態】疲労(小)、背中がギンガの血で濡れている、言葉に出来ない感情、苦悩、ジョーカー化への欲求徐々に増大 【装備】ラウズカード(ハートのA~10)@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【道具】支給品一式×2、パーフェクトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、録音機@なのは×終わクロ 【思考】 基本:皆殺し? 0.――――。 1.生きる為に戦う? 2.アンデッドの反応があった場所は避けて東に向かう。 3.エネル、赤いコートの男(=アーカード)を優先的に殺す。アンデッドは……。 4.アーカードに録音機を渡す? 5.どこかにあるのならハートのJ、Q、Kが欲しい。 6.ギンガの言っていたスバルや他の2人(なのは、はやて)が少し気になる(ギンガの死をこのまま無駄に終わらせたくはない)。彼女達に会ったら……? 【備考】 ※ジョーカー化の欲求に抗っています。しかし再びジョーカーになれば自分を抑える自信はありません。 ※首輪の解除は不可能と考えています。 ※赤いコートの男(=アーカード)がギンガを殺したと思っています。 ※主要施設のメールアドレスを把握しました(図書館以外のアドレスがどの場所のものかは不明)。 ▼ ▼ ▼ ホテル・アグスタ1階ロビー。 そこは一廉のホテルに相応しくソファーが備え付けられ、荘厳な意匠が凝らされた柱が視界を妨げない程度に立てられた空間。 本来なら来客を穏やかに迎え入れるはずの玄関だが、残念ながら今ロビーにいる二人の様子は穏やかとは程遠かった。 「もうすぐ放送か……今度もまた……」 死者と禁止エリアを告げる定期放送まであと数分。 緊張した空気が漂う薄暗いロビーに1組の赤い服を身に付けた男女、金髪トンガリ頭に真紅のコートのヴァッシュ・ザ・スタンピードと紫髪サイドポニーに真紅のセーターの柊かがみはいた。 だが放送を待っているはずの二人の様子は同じようで少し違っていた。 ロビーに漂う空気と同じように暗くなり気味のヴァッシュに対してかがみの心中は穏やかではなかった。 (浅倉の奴、絶対私が殺してやるんだから!!!) 自らの片割れとも言うべき双子の妹である柊つかさを目の前で殺された今のかがみの心中にあるのは『復讐』の二文字のみ。 今も目を閉じればあの時の惨劇を鮮明に思い出してしまう。 メタルゲラスに両足をつかまれて傷つきながらも必死に助けを求めていたつかさ。 その目の前で何もできずにただつさかが真っ二つに引き裂かれて殺される様を見ているしかできなかった自分。 それが罪とばかりにつかさだったものから降り注ぐつかさの体液。 あの凄惨という言葉が生ぬるいほどの光景は生涯忘れる事はないだろう。 残念ながら今はまともに戦う術がないので大人しくしているが、そうでなければ今頃憎き仇を探し回っていたに違いない。 (それにしてもさっきまでのこいつ誰かに似ていたような……ああ、騒がしいところがゆいさんに似ているのね) かがみはソファーに座って顔を落としているヴァッシュの様子を見ながら一人で納得していた。 成実ゆい。 かがみの親友である泉こなたの従姉であり、後輩の小早川ゆたかの実姉に当たる。 苗字が違うのは既婚者だからである。 いつも騒がしくテンションが高い人だが、そういうところがどこかヴァッシュと似ているのだ。 (どこにでもいるのね、こういう人って。そういえばこなたは今どこで何しているのかしら……) ▼ ▼ ▼ 整然と立ち並ぶ林の中で綺麗にホテルまで続いている不自然な一本道。 その道が不自然に思えるのはそこだけ何か得体のしれない力で消されたかのようになっているからだろう。 道と林の境界付近の木々は揃いも揃って普通ではありえないほど綺麗な切断面を見せつけていて不自然さに拍車をかけていた。 そんな不自然な道に最大限の注意を払って進む二人の青髪の少女、背が高く短髪なスバル・ナカジマと背が低く長髪な泉こなたがいた。 「スバル、やっぱりあの天使さんも参加者なのかな?」 「…………」 「ん? スバル?」 「あ、ああ、たぶんそうじゃないかな……」 スバルはホテル・アグスタの屋上に降り立った天使の姿から一人の人物を連想していた。 少し遠目ではあったが、あの時見えた天使は金髪で赤いコートを纏っていた気がする。 それによって連想する人物はヴァッシュ・ザ・スタンピード。 チンク曰く、危険人物。 もし本当ならこれからスバル達の向かう先は安全ではなく、危険な場所である可能性が極めて高い。 そのホテルにこなたを連れて向かう事にスバルは若干危惧を抱いていた。 戦場になるかもしれない場所にこなたを連れて行って、こなたまで危険な目に遭わせるのではないかと。 幸いな事に天使を発見した時の位置関係からこなたはスバルの影に隠れていた形になっていた。 だからこなたを待たせて一人で行けば共倒れの危険性はなくなる。 しかも道すがらクロスミラージュの状態を念入りに調べていたリインからは芳しくない診断結果を聞いていた。 ――残念ですけど基礎構造部分に致命的な破損がありますね。 ――専門の場所で修理すれば修復できるかもしれないが、今のままだと正直なところ自動修復もままならない状態です。 ――もし万が一この状態で使用すれば、おそらくそれがクロスミラージュの最期になるでしょう。 つまり今のスバルの力は相変わらず満足に発揮できない状態なのだ。 スバルとこなたが調べた範囲でデュエルアカデミアに気になる物はなかった事はすでにお互い確認済みだったが、あそこにはまだ幾つか荷物が放置したままだ。 危険地帯かもしれないホテルは後回しにして、一度をデュエルアカデミア跡地に戻るという選択肢もありだ。 だがそんなスバルの弱気な心の内を察したのか隣を歩くこなたは声をかけるのだった。 「大丈夫だよ」 「え?」 「自分の身は自分で守るからさ。スバルは自分がするべき事をすればいいと思うよ」 こなたの言葉は弱気になりかけていたスバルを落ち着かせるものだった。 これではどちらがしっかりしているの分かったものではない。 死んでしまった者達の為にも生きている自分達は前に進むと決めたスバルが返す答えなど決まっている。 「……うん!」 迷いは晴れた。 ▼ ▼ ▼ そして運命の悪戯と共に出会いはいつも突然に。 「かがみさん!?」 「ス、スバルッ……ヴァッシュ、あ、あいつが私を! いや、た、助けて!!!」 「――ッ、こんな時に!」 そして銃声と共に別れもまた唐突に。 ▼ ▼ ▼ 一瞬にして先程よりさらに緊迫した空気が漂い始めたロビー。 その緊張した空間のソファーや柱を挟んでスバルとヴァッシュは膠着状態にあった。 (一応念のためと言って先に様子を見に来て正解だったか。まさかかがみさんがいて、その上危険人物のヴァッシュと手を組んでいたなんて……) いつかは再び対峙しなければいけないと思っていたが、さすがにこの状況下では厳しすぎた。 危険人物二人が手を組んで、話し合う暇もないまま銃撃されるこの状況ではいくらスバルでもこなたを守りきる自信はない。 今まで別行動で良い経験がなかったが、今回に限っては安全確認のために一人で先に入って正解と言えよう。 (でもいつまでもこのままの状態が続くのは好ましくない。どこかで隙を見て一度戻った方がいいかな) ヴァッシュが放った銃弾はギリギリ避けられたが、あの早撃ちを見る限り相当銃の扱いに長けているようだ。 今のように距離が開いた状態で銃を持った相手に対して接近戦が得意なスバルは圧倒的に不利だ。 決着を焦ればまず間違いなくスバルに勝機はなく、ゆえにここは一度戦線離脱した方がいいとスバルは考え始めたのだ。 スバルが離脱の隙を窺っていた時を同じくして、ヴァッシュもまた転機を窺っていた。 (かがみさんには避難してもらったから、あとはスバルを抑えるだけか) 既に保護対象であるかがみには念のため装甲車の鍵を渡して地下の駐車場に避難してもらっておいた。 あそこに駐車してあった装甲車の中なら万が一の事態でも安全だと考えたからだ。 (威嚇のつもりだったけど、あの初撃を避けた動作は大したものだな。でも怪我していたみたいだからなんとかなるかな) あとはタイミングを見計らって相手を制圧するだけ。 だが突然の邂逅に対処するあまりスバルもヴァッシュも大事な事を忘れていた。 そしてそれを思いださせるかのように時計の針は12と6を指す。 『こんばんは。これより18時をお伝えすると同時に、第3回目の定期放送を行いたいと思います』 二人の膠着状態を破るかの如く無慈悲な放送は始まった。 ▼ ▼ ▼ 新庄・運切の訃報――それはヴァッシュにとってまさしく青天の霹靂だった。 新庄・運切という少年はヴァッシュにとって少し特別な存在だった。 出会いは大した事ない普通なものだった。 傷心の内に沈んでいた自分の前に現われてまず初めにこの身体を心配してくれた。 そう、始まりは本当に何でもない事だった。 ただその気遣いがとても嬉しかった。 それからしばらく黙って隣に座っていてくれた。 もしかしたら死なせてしまうかもしれないと言ったのに、それでも放っておけないと言って一緒にいてくれた。 それが少し心地よかった。 そんな新庄君だからこそ自分を死なせないために無謀とも言える提案をやってのけたのだ。 このままではいつか自分が思いつめて死んでしまうと気付いたから。 多大な危険と隣り合わせだったが、それなりの算段はあった。 新庄君からの提案だったとはいえエネルは自分の力に恐怖を覚えていたはずだ。 実際新庄君が止めなければエネルの死は確実だったので、一見無謀にも見えた策だが効果は絶大に思えた。 だから新庄君の身は自分が生きている間は大丈夫だと思い込んでいた。 だがそんなある意味楽観的な考えはあっけなく砕かれてしまった。 「……ぁ……ぅあ」 誰のせいだ? 誰のせいでもない。 全ては自分のせいだ。 自分の甘い考えが新庄・運切という一つの命が散る原因となった。 少なくともヴァッシュ自身はこの時そう思っていた。 そして、無意識の内に心に広がる罪の意識はヴァッシュをさらに苛み始めていた。 「……っ……え?」 不意に失意に沈みこむヴァッシュの上に影が差した。 誰かがヴァッシュの前に立ったせいで人影が光を遮ったのだ。 当然誰が立っているのか確認するために顔を上げないといけないのだが、なぜかそれは躊躇われた。 不思議とスバルではない確信があったので急がなくてもいいが、そういう問題ではない気がする。 ここで顔を上げたら取り返しの付かない事になってしまうような、そんな気がしたのだ。 だがいつまでもこうしているわけにもいかない。 意を決して気力を奮い立たせたヴァッシュが顔を上げると、一人の男と目が合った。 「――ナ、ナイブズッ!?」 ヴァッシュの目の前に立っていたのは死んだはずの兄――ミリオンズ・ナイブズであった。 だが次の瞬間、ヴァッシュはさらに驚く事になる。 いつのまにか自分の周りには人だかりができているのだ。 そしてよく見るとその人々には見覚えがあった。 ミリオンズ・ナイブズ、新庄・運切、フェイト・T・ハラオウン、アンジール・ヒューレー、エネル、それに今まで出会った人々―― ――そして、あの忌まわしき事件で消え去ったジェライの人々もそこにいた。 そしてその全員が黙ってヴァッシュを見ていた。 ただ静かに見つめていた。 まるで何かを訴えるかのように。 皆の瞳にはただヴァッシュの姿が映るのみ。 「……っ……止めてくれよ」 そして、その瞳の重さにヴァッシュは――。 ▼ ▼ ▼ 「浅倉の奴、なに勝手に死んでいるのよ! あいつは、私の手で殺さないといけないのよ! つかさを殺しておいて、あいつ……!!」 何台もの車が駐車されている照明も疎らな地下駐車場。 その中にかがみの乗っている装甲車はあった。 ヴァッシュに言われた通り安全のためにここに来たが、黙って待つ気はなかった。 その理由は先程から上の方から響いてくる不気味な振動。 どうやら激しい戦闘が始まっているらしく、さらに徐々に駐車場の天井にヒビが走り始めていた。 どちらが勝つにせよこのままここにいれば生き埋めになるのは必定。 なんとしても一刻も早くここから脱出する必要があった。 キャロが死んだせいかバクラが静かだったので、とりあえず一人でなんとかするしかなかった。 「でも万丈目はいい気味ね。きっと私を殺そうとした報いよ」 憎き相手の死を知って悦になりながらかがみは必死に最低限の運転技術を覚えていた。 実際歩いた方が早いかもしれないが、この装甲車の頑丈さを考えればここで最低限の運転をできるようになっておくほうが後々便利だ。 それにこの装甲車にも他の車と同様に取扱書が付いていたし、実際の運転なら親やゆいなどと見る機会も何回かあった。 さらにAT車で発進の方法は意外と簡単だったので、発進の仕方はギリギリ理解できた。 「えっと、まずはエンジンを掛けて、ギアは……確かここで……それでアクセルをおおおおお!!!」 そしてついに小気味いいエンジン音と共に無骨な装甲車は走り始めた。 ただしかがみがアクセルペダルを一気に踏み込んだためいきなりトップスピードで発進するはめになったが。 「!?」 だが車線上に出口があったのですぐに外に出る事が出来て結果的に良かったとも言える。 さらに幸運だったのは装甲車がAT車であった事だ。 もしAT車ではなくMT車だったらその場でエンストを起こして立ち往生する羽目に陥っていた。 ただそんな事情を他所に当のかがみは初めて運転する車のスピードに少しばかり面食らっていた。 「うそ、ちょっと、早すぎ――って!?」 ふと前を見ると、車線上に誰かが飛び出してきた。 それは数時間前に仮面ライダーと怪物に変身して浅倉と戦っていた奴だった。 ひどく苦しそうにしていてこちらに気付いていないようだったが、それを見てもかがみは車を止める気はなかった。 むしろ――。 「轢いちゃえ」 ――そのまま速度を緩めず、クラックションも鳴らさず、その勢いのまま突き進んだ。 先程の放送でこれからは参加者を殺せばボーナスの支給品が手に入ると明かされたのだ。 いまさらかがみが人殺しを躊躇う理由はどこにもなかった。 ドン!!!!! 【1日目 夜】 【現在地 F-9 ホテル・アグスタから伸びる道路上】 【柊かがみ@なの☆すた】 【状態】バリアジャケット、つかさの死への悲しみ、サイドポニー、自分以外の生物に対する激しい憎悪、やさぐれ、装甲車に乗車中 【装備】ゼクトバックル(ホッパー)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、ホッパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、千年リング@キャロが千年リングを見つけたそうです、ホテルの従業員の制服、ストラーダ(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、装甲車@アンリミテッド・エンドライン 【道具】支給品一式、レヴァンティン(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ライディングボード@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【思考】 基本:みんな死ねばいいのに……。 1.まず目の前でふらついている奴を轢き殺す。 2.他の参加者を皆殺しにして最後に自殺する。 【備考】 ※一部の参加者やそれに関する知識が消されています(たびかさなる心身に対するショックで思い出す可能性があります)。 ※デルタギアを装着した事により電気を放つ能力を得ました。 ※「自分は間違っていない」という強い自己暗示のよって怪我の痛みや身体の疲労をある程度感じていません。 ※周りのせいで自分が辛い目に遭っていると思っています。 ※変身時間の制限にある程度気付きました(1時間~1時間30分程時間を空ける必要がある事まで把握)。 ※エリアの端と端が繋がっている事に気が付きました。 ※千年リングを装備した事でバクラの人格が目覚めました。以下【バクラ@キャロが千年リングを見つけたそうです】の簡易状態表。 【思考】 基本:このデスゲームを思いっきり楽しんだ上で相棒の世界へ帰還する。 1.…………。 2.当面はかがみをサポート及び誘導して優勝に導くつもりだが、場合によっては新しい宿主を捜す事も視野に入れる。 3.万丈目に対して……?(恨んではいない) 4.こなたに興味。 5.メビウス(ヒビノ・ミライ)は万丈目と同じくこのデスゲームにおいては邪魔な存在。 6.パラサイトマインドは使用できるのか? もしも出来るのならば……。 【備考】 ※千年リングの制限について大まかに気付きましたが、再憑依に必要な正確な時間は分かっていません(少なくとも2時間以上必要である事は把握)。 ※キャロが自分の知るキャロと別人である可能性に気が付きました(もしも自分の知らないキャロなら殺す事に躊躇いはありません)。 ※かがみのいる世界が参加者に関係するものが大量に存在する世界だと考えています。 ※かがみの悪い事を全て周りのせいにする考え方を気に入っていません(別に訂正する気はないようです)。 ▼ ▼ ▼ スバルはヴァッシュからの突然の攻撃に驚いていた。 放送の途中で繰り出された白刃による斬撃は驚くべきものだったが、スバルが驚いた原因は別にあった。 一瞬前まで居た場所に刻まれた斬撃の痕。 普通ではありえないほど綺麗に刻まれた傷痕にスバルは見覚えがあった。 ここに来るまでの林で同じような切り口で切られた木が数本――。 ――そしてルルーシュの右腕にも同じような傷痕が残されていた。 「ヴァッシュさん、あなたがルルーシュの右腕を……」 あの傷さえなければルルーシュが絶望する事もなかった。 あの傷さえなければルルーシュが死ぬ事もなかった。 そんな想いが沸々とスバルの内に湧き上がってくる。 確かルルーシュを襲った人物は金髪で右腕が腐った男だったはず。 一見すると右腕が腐っていない目の前の人物ではない気がするが、その前提は確実ではない。 実際最初に出会った赤コートの化け物のように再生能力を持っているかもしれない。 それに何よりその刃での特徴的な傷痕を残しているのが疑いようもない証拠だ。 「あなたのせいで!!!!!」 スバルは知らない。 実際にルルーシュを襲ったのはヴァッシュと融合したナイブズである事を。 そのヴァッシュが幻を見る程に精神が不安定になったせいで突発的な暴走状態にある事を。 先程の刃が幻覚からくる本能的な自己防衛行動である事を。 今までヴァッシュの暴走状態が止まっているのは左腕つまりナイブズと向き合ったからだ。 だが同じプラント同士とはいえその左腕は元からヴァッシュの物ではない。 だから最初のうちは暴走していたのだ。 そして今ヴァッシュが精神的に不安定になった事で左腕が再び暴走しかけようとしている。 もちろんある程度精神が安定して落ち着く事ができれば今の暴走も止まるだろう。 だが果たしてそれまでホテルが無事であるか確証は持てない。 【1日目 夜】 【現在地 F-9 ホテル・アグスタ1階ロビー】 【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】全身ダメージ小、左腕骨折(処置済み)、ワイシャツ姿、質量兵器に対する不安、若干の不安と決意 【装備】添え木に使えそうな棒(左腕に包帯で固定)、ジェットエッジ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式(一食分消費)、スバルの指環@コードギアス 反目のスバル、救急道具、炭化したチンクの左腕、ハイパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、チンクの名簿(内容はせめて哀しみとともに参照)、クロスミラージュ(破損)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、首輪×2(ルルーシュ、シャーリー) 【思考】 基本:殺し合いを止める。できる限り相手を殺さない。 1.あなたのせいでルルーシュは!!! 2.スカリエッティのアジトへ向かう。 3.六課のメンバーとの合流とつかさの保護。しかし自分やこなたの知る彼女達かどうかについては若干の疑問。 4.準備が整ったらゆりかごに向かいヴィヴィオを救出する。 5.こなたを守る(こなたには絶対に戦闘をさせない)。 6.かがみを止める。 7.状況次第だが、駅の車庫の中身の確保の事も考えておく。 8.もしも仲間が殺し合いに乗っていたとしたら……。 【備考】 ※仲間(特にキャロやフェイト)がご褒美に乗って殺し合いに乗るかもしれないと思っています。 ※アーカード(名前は知らない)を警戒しています。 ※万丈目とヴァッシュが殺し合いに乗っていると思っています。 ※アンジールが味方かどうか判断しかねています。 ※千年リングの中に、バクラの人格が存在している事に気付きました。また、かがみが殺し合いに乗ったのはバクラに唆されたためだと思っています。但し、殺し合いの過酷な環境及び並行世界の話も要因としてあると考えています。 ※15人以下になれば開ける事の出来る駅の車庫の存在を把握しました。 ※こなたの記憶が操作されている事を知りました。下手に思い出せばこなたの首輪が爆破される可能性があると考えています。 【ヴァッシュ・ザ・スタンピード@リリカルTRIGUNA s】 【状態】疲労(大)、融合、黒髪化九割、、精神不安定(大)、一時的な暴走状態? 【装備】ダンテの赤コート@魔法少女リリカルなのはStylish、アイボリー(5/10)@Devil never strikers 【道具】なし 【思考】 基本:殺し合いを止める。誰も殺さないし殺させない。 0.新庄君が……死んだ……。 1.かがみを守りつつ殺し合いを止めつつ、仲間を探す。 2.首輪の解除方法を探す。 3.アーカード、ティアナを警戒。 4.アンジールと再び出会ったら……。 【備考】 ※制限に気付いていません。 ※なのは達が別世界から連れて来られている事を知りません。 ※ティアナの事を吸血鬼だと思っています。 ※ナイブズの記憶を把握しました。またジュライの記憶も取り戻しました。 ※エリアの端と端が繋がっている事に気が付いていません。 ▼ ▼ ▼ 柊つかさの死。 それは泉こなたにとって大きな衝撃となった。 だがこなたもここが殺し合いの場であり、親友が殺し合いに乗る事まで覚悟した身だ。 当然自分の知らない間に死んでしまう可能性も考えて、覚悟はしていた。 だがこなたは幸運であり、不幸であった。 大した力も知識もない女子高校生が並み居る猛者が死んでいく中で生き残っていた。 だから心の底で淡い希望を抱いてしまった。 『もしかしてこのまま生きて再会できるんじゃないか』 かがみは殺し合いに乗ってしまったが、裏を返せばそれだけの力が手に入ったという事は逆に自分の身を守れる事でもある。 つかさにしても保護者がいなくなっても6時間生き延びたのだから大丈夫なのではないかと思った。 だがそんな幻想は呆気なく砕かれてしまった。 そしてこなたはまだデスゲームが始まってから目の前で誰かの死を、さらに誰かの死体さえ見ていなかった。 最初に出会ったアーカードはすぐに復活した。 ルルーシュ、シャーリー、レイ、なのは、フェイト、ティアナの何れも目の前でその死を見たわけではない。 駅の時でさえスバルの配慮によってスバルがクロスミラージュを持って出てくるまで外で待っていた。 確かに心の中では覚悟はしていた。 だが思うだけでは実際に物事に直面した時には足りなかったのかもしれない。 だからこそこなたは前に進むと決めた足を止めてしまった。 「う、そ、つ、つかさ……」 そして、再び歩み出すその足の先にある答えとは――。 【1日目 夜】 【現在地 F-9 ホテル・アグスタ付近】 【泉こなた@なの☆すた】 【状態】健康、つかさの死に対する強いショック 【装備】涼宮ハル○の制服(カチューシャ+腕章付き)、リインフォースⅡ(疲労小)@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS 【道具】支給品一式、投げナイフ(9/10)@リリカル・パニック、バスターブレイダー@リリカル遊戯王GX、レッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D s ―LYRICAL KING―、救急箱 【思考】 基本:かがみん達と『明日』を迎える為、自分の出来る事をする。 0.つかさがしんじゃった――。 1.スバルやリイン達の足を引っ張らない。 2.かがみんが心配、これ以上間違いを起こさないで欲しい。 3.おばさん(プレシア)……アリシアちゃんを生き返らせたいんじゃなくてアリシアちゃんがいた頃に戻りたいんじゃないの? 【備考】 ※参加者に関するこなたのオタク知識が消されています。ただし何らかのきっかけで思い出すかもしれません。 ※いくつかオタク知識が消されているという事実に気が付きました。また、下手に思い出せば首輪を爆破される可能性があると考えています。 ※かがみ達が自分を知らない可能性に気が付きましたが、彼女達も変わらない友達だと考える事にしました。 ※ルルーシュの世界に関する情報を知りました。 ※この場所には様々なアニメやマンガ等に出てくる様な世界の人物や物が集まっていると考えています。 ※PT事件の概要をリインから聞きました。 ※アーカードとエネル(共に名前は知らない)、キングを警戒しています(特にアーカードには二度と会いたくないと思っています)。 ※ヴィヴィオ及びクラールヴィントからヴィヴィオとの合流までの経緯を聞きました。矢車(名前は知らない)と天道についての評価は保留にしています。 【リインフォースⅡ:思考】 基本:スバル達と協力し、この殺し合いから脱出する。 1.周辺を警戒しいざとなったらすぐに対応する。 2.はやて(StS)や他の世界の守護騎士達と合流したい。殺し合いに乗っているならそれを止める。 【備考】 ※自分の力が制限されている事に気付きました。 ※ヴィヴィオ及びクラールヴィントからヴィヴィオとの合流までの経緯を聞きました。 【チーム:黒の騎士団】 【共通思考】 基本:このゲームから脱出する。 1.首輪解除の手段とハイパーゼクターを使用するためのベルトを探す。 2.首輪を機動六課、地上本部、スカリエッティのアジト等で解析する。 3.それぞれの仲間と合流する。 4.ゆりかごの起動を阻止しヴィヴィオを救出する。 【備考】 ※それぞれが違う世界の出身であると気付きました。また異なる時間軸から連れて来られている可能性に気付いています。 ※デュエルモンスターズのカードが武器として扱える事に気付きました。 ※デュエルアカデミアにて情報交換を行いました。内容は守りたいもの本文参照。 ※「月村すずかの友人」からのメールを読みました。送り主はフェイトかはやてのどちらかだと思っています。 ※チーム内で、以下の共通見解が生まれました。 要救助者:万丈目、明日香、つかさ、ヴィヴィオ/(万丈目は注意の必要あり) 合流すべき戦力:なのは、フェイト、はやて、キャロ、ヴィータ、シャマル、ユーノ、クアットロ、アンジール、ルーテシア、C.C./(フェイト、はやて、キャロ、ヴィータ、シャマル、クアットロ、アンジール、ルーテシアには注意の必要あり) 危険人物:赤いコートとサングラスの男(=アーカード)、金髪で右腕が腐った男(=ナイブズ)、炎の巨人を操る参加者(=ルーテシアorキャロ?)、ヴァッシュ、かがみ、半裸の男(=エネル)、浅倉 判断保留:キング、天道、スーツの男(=矢車) 以上の見解がそれぞれの名簿(スバル、こなた)に各々が分かるような形で書き込まれています。 ※アニメイトを襲いヴィヴィオを浚った人物がゆりかごを起動させようとしていると考えています。 ▼ ▼ ▼ ところでいくら新庄がヴァッシュにとって特別な存在になっていたとしても果たしてここまでの衝撃を受けるものだろうか。 だが実際こうしてヴァッシュは新庄の死に少なくない衝撃を受けている。 この会場内で起きた様々な事例を加味すれば、それも無理からぬ事かもしれない。 もしくは始を苦しめるジョーカー化への欲求の増大や普通なら凶行に及ぶはずもない参加者が手を血に染めてしまう事と何か関係があるのだろうか。 または金居の予想が正しいのか。 やはりプレシアの仕掛けた細工か、あるいは――。 Back Aの残光/夢と誇りをとりもどせ 時系列順で読む Next きみのたたかいのうた(前編) Back Aの残光/夢と誇りをとりもどせ 投下順で読む Next きみのたたかいのうた(前編) Back 余波 相川始 Next きみのたたかいのうた(前編) Back 波紋 - a divine messenger of the two. 柊かがみ Next きみのたたかいのうた(前編) Back 波紋 - a divine messenger of the two. ヴァッシュ・ザ・スタンピード Next きみのたたかいのうた(前編) Back 一人分の陽だまりに 僕らは居る スバル・ナカジマ Next きみのたたかいのうた(前編) Back 一人分の陽だまりに 僕らは居る 泉こなた Next Iの奇妙な冒険/祝福の風
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本日の献立は! …肉じゃが! おひたし! ぬか漬け! 味噌汁の具は、油揚げとほうれん草なり。 配膳確認、各自、箸の置き忘れはないか? ヴィータよ、速やかに席につけ。 飯が冷めるなり! シグナム、シャマル、リィン、はやて、覚悟…着席完了。 ザフィーラに猫まんまの用意あり。 全員…そろった、準備よし。 いざ! 「いただきます」 強化外骨格は飯を食えぬが、家族は皆で食事を摂るが八神家の掟なり。 今宵もただ、食卓に席並べて鎮座す。 魔法少女リリカルなのはStrikerS 因果 第四話『葉隠禁止(前編)』 あの日、いきなりはやてが知らない男を連れて帰ってきた。 シャマルがそいつの名を知っていた…葉隠覚悟。 クソ重てえユニゾンデバイス、零(ぜろ)のマスター。 大ケガしてるくせに空港火災で人助けに走り回ってた、 死んでない方がおかしいケガで走り回ってたやつだ。 それだけでも胸クソ悪い…のに、一緒に話してるはやてが楽しそうにしてるのを見て、決定的にムカついた。 最初は数日世話になるだけ、とか言ってたけど、何考えてんだか全然わかんねーし。 わざとお茶、頭にこぼしてみても、なんにも言わねーで拭きやがるし。 怒るとかなんとかしろよ! バカにしてんのかよ! あの目つきがムカつく。 なんか色々見透かされてるみてーでムカつく。 もっとムカついたのは、こんな風にキレてたのがこのあたし、ヴィータ一人だけだったってことだ。 シャマルがいきなり言い出しやがったんだ。 「いっそ、ここにずっといれば? 覚悟君」 入院中はずっと身の回りの世話してたんだっけか、情が移りすぎだってんだよ。 「はやてちゃんは簡単に言うけどね、首都圏だと住む場所も高いのよ」 おめーこそ簡単に言ってんじゃねえよ、男だぞこいつ。 「はやての力になる気があるなら、ここに居る方がよほど実際的だ」 なのにシグナムまでこれモンだったから、あたし一人で認めねー認めねーって言ってたら、 「本日まで、まことお世話になりました」 荷物まとめて敬礼してよ、さっさと出て行きやがったんだよ、あいつ! 完ッ璧あたしが悪モンじゃねーか、ざけんな! その後、はやてに本気で怒られた。 「覚悟君、独りぼっちなんよ。 独りぼっちの子をほっぽり出すなんて最低や」 全員で探しに出て、なのはとフェイトにも手伝わせて、 明け方、あいつが高級住宅街の川べりで座り込んでたのを見つけたのは、よりにもよってあたし自身だった。 帰ってこいなんて言いたくなかった。 あたしは心を許していない…だから。 「メシ、できてんぞ、来いよ…いいから!」 それで突っ張り通して連れ戻したのが、早くも半年前の出来事だ。 今じゃずいぶん慣れたもんだよ、我ながら。 はやての言う通り、あいつが管理局の仕事を手伝うこともあった。 戦力としては、くやしいけど認める。 うちに来て早々、なのはとの対戦結果を聞いてたシグナムが心待ちにしてたみてぇに模擬戦を申し込んだんだけど、 正午に始めてから日が落ちるまで、ずーっとにらみ合ったまま動かねえのな。 で、最終的には、 「積極!」 「紫電!」 同時にしかけて相打ち。 剣と拳が紙一枚の隙間で止まってた。 「葉隠覚悟は袈裟懸けに深き一太刀浴び、即死いたしました!」 「烈火の将シグナム、貴様に首を砕かれて二度と立てん!」 「零(ぜろ)の意志、果たせぬまま終わりました」 「主はやてを置き去りに散ってしまったか」 「不甲斐なき也(や)!」 「私もだ!」 なに、固い握手してんだよ。 戦い通じて友情はぐくんでやんの。 これだからバトルマニアはイヤだよ。 それからはもう、ヒマを見つけては試合(しあ)ってて、たまにあたしも巻き込まれたから、 弱いわけねーってのはよーくわかった。 ラケーテンハンマーを『因果』された時は最低の気分だった。 回転始めて力を溜めた瞬間に「隙あり 因果」とか、やってらんねーよマジで。 空気読めってんだよ。 おかげで、より遠くから打ちかかれるように技自体を改良するしかなかった。 そんくらいには、強い。 だから、ガジェットドローンを素手でズッコンバッコンぶっ壊されても、別に驚かなかったな。 零(ぜろ)は仮封印処置を取られてて許可がないと使えねぇって話で、 シグナムと立ち会ったときにも実際装備しなかったけど、ぶっちゃけあいつ武器いらねーって。 ま、そんなこんなのそんなこんな。 全員一緒の休日がとれたあたし達は、遊園地に行くことになった。 クラナガン・サン・ガーデン。 最近できた遊園地だとか。 んなことはどうでもいいんだ、楽しけりゃな。 だけどよ…こいつ、完ッ璧、ダメだ。 マッハがつくポンチ野郎だ。 はやてにムリヤリ組まされて、その辺はっきしわかった。 ガンシューやったんだよ、ガンシューティングな。 『スーパー・リアル・アサルト3』。 最近ゲーセンに入ったばかりの新作が、大迫力の立体映像で遊べる。 遊園地だと後がつかえるから、二人プレイでライフ共有になってるけどな。 うん、まあ、銃自体はうまかったんだよ。 ほとんど百発百中であきれたしな。 だけど弾は切れるようにできてるのがゲームってもんで、 「弾、切れるだろ、あれ撃てよ」 向こう側に出てきたカートリッジを指さしたんだけどよ… 「なにやってんだよ、撃てってば」 「火薬の塊たる弾倉に銃弾叩き込むなど、正気か、ヴィータ!」 「いやこれ、ゲームだから! ゲームだから! そういうモンなんだってば、そういうルールなんだってばよ」 「しかし…これはリアル、すなわち現実的であると銘打たれていたからして、そのような…」 「だーっ、アホヤローッ」 銃をぶん取ってあたしが撃ったら、弾が満タンになって、 あいつは釈然としない顔でゲームを続けてた。 あたしもぶちぶち言いながら結構先まで行けたんだけどよ、それで終わりじゃなかったんだよなあ。 ガンシューだとよ、ヘルプミーとか言って出てくる民間人いるじゃん。 撃つとワンミスになる邪魔なやつ。 ボスの直前に大量配置されてたんだよな、今作。 それを、あいつな…反射的に撃っちまったのな。 アーオゥ! とかいう悲鳴と一緒にワンミス。 「…今のは!」 「民間人だな、撃つとワンミス」 「なんだと…」 「あいつの盾になるよーに配置されてんじゃねーかな」 「外道許さじ! 正しき因果極めてやる」 んで、銃をピッタリ構えたかと思ったら、奥にいた敵キャラにしこたまぶち込みやがった。 一発撃てば死ぬのによー、こいつはもー。 「あらがえぬ人々の痛み、覚えたか」 「ノリノリだよな、おめー…あ、でも一発残したのな」 弾の補充のために残したか、やっと飲み込めてきたみてぇだな。 ここからはフツーにやれそうだ、そう思ってたのによぉ。 「…何やってんだ? それ、何のマネだ?」 「自害なり」 大真面目に銃口をてめえの頭に向けているこいつに、そろそろ泣きたくなってきたあたしは正常だよな? 「誤射にて罪なき人の生命を絶ったとあらば、我が生命、捧ぐ以外に償う途(みち)なし」 「だから、これゲームだから! それより、ボスが来っぞ」 「首魁(ボス)!」 また眼鏡をギラリと光らせやがった、こいつ。 嫌な予感がするんだけどよ、とりあえず言うだけのことは言って… 「弾一発じゃどうしようもねーから、おめーはすっ込んで」 「問題なし」 「はぁ?」 「胸すわって進むなり。 正義に敗走は無い!」 もう、何言っていいんだか全然わかんねえ。 その後すぐ、ライフ共有のせいで、あたしもろともゲームオーバーになった。 「あっはっはっはっは!! ふわはははははははっ!!」 何が悪かったのであろうか。 てめえはリアルで死ねと言われて蹴飛ばされたゆえ、 昼食がてらはやてに一部始終を伝え是非を問うてみたのだが。 …なにゆえ、皆は笑うのか? シャマルに、リィン、シグナムまで。 「あー、もうダメ、お腹痛くなっちゃって、もう…あはは、ははははっ」 「お腹が痛い?」 「言っておくが違うぞ覚悟、ぷっ、くくくくくっ」 食事に悪いものでも入っていたのかと立ち上がりかけたのを シグナムの両手に軽く制された。 「いや、すまん、おまえを笑い物にする気はない。 むしろその馬鹿正直さは好ましい」 「なにが悪かったかって、本気で聞いてるんだもんね、ふふっ」 「リィンはそんな覚悟くんが大好きなのですよー」 「わたしもや。 もー、ほんと、覚悟君らしーわぁ」 笑い物にされているなど、最初から思っておらぬなり。 皆の微笑みが、これほどに暖かければ。 ザフィーラに目をやると、尻尾をひとつ振って寝転んで居た。 その脇にかがみ、なにやら下を向いていたヴィータが立ち上がり、こちらに向けるは鋭き視線。 「どいつもこいつも…あたしの身に、なれッ!」 ずかずかと歩み来て、わが傍らに置かれたトランクをばんと叩く…何をする。 「零(ぜろ)よぉー、おまえ、こいつにどういう教育してんだよ、こらぁっ」 『我らはただの強化外骨格なれば、常識一般を教えることはできぬ』 零(ぜろ)はすでに心を許していた。 はやてに近しい人全てに。 やはり、はやて主導による徹底した人間扱いが効いているのかも知れぬな、と思う。 零(ぜろ)も一度は止めたらしいが、郷に入りては郷に従えと逆に諭されてしまったという。 ヴィータがこうしてからむのも、今日では日常茶飯事なり。 「にしてもよぉー、もうちょっとよー」 『生まれた世界が違うのだ! やむをえぬ部分は許してくれぬか』 「あんまり、零(ぜろ)を困らせたらあかんよ、ヴィータ」 荒れる様を見かねてか、はやてがたしなめにかかるも、 ヴィータはますますへそを曲げている様子。 やはりおれに落ち度ありか。 「あたしが困らされてんだよ、こいつに! とにかく、もうあたしはイヤだからな、こいつとは行かねー」 「よくわからぬが、申し訳ない」 「謝ってんじゃねーよ、もっとムカつくんだよ」 ではどうしろというのだ。 半年も共に生活しているが、このヴィータのことは未だわからぬ。 彼女らは皆、かつては闇に囚われた戦鬼(いくさおに)であったとは シグナム、シャマル自身の口よりすでに聞いており、その強さにも首肯せざるを得ぬが、 日常のヴィータがただの少女に過ぎぬことに変わりなし。 おれの何が彼女の機嫌をそこねるのか… 「ほなら、しゃーないわぁ」 はやてが席を立ち、おれのとなりに来た。 彼女もまた、たまにわからぬことをするので困るが… 「覚悟君、一緒に行こか。 お化け屋敷」 「お化け屋敷?」 「ヴィータが行きたないみたいやし…怖いんやね」 「彼女ほどのものが恐れる場所とは!」 奇っ怪至極! 遊園地、まっことわからぬ場所(ところ)なり。 先の射撃訓練施設といい…ここは民間人の遊戯場ではないのか? 「わたしは覚悟君と一緒なら怖ないねん」 「了解、謹(つつし)んで護衛させていただく」 …なぜ笑う、シャマル、シグナム。 これは試されていると見るべきか。 よかろう、ならば応えよう。 お化け屋敷がいかなるものであろうとも、はやてに指一本触れさせぬなり! 「征くぞ!」 「うん。 みんな、零(ぜろ)のこと見ててなー」 「待て、っつの」 突如、足を踏みならしたヴィータに振り返ると、 またずかずかとした足運びにて我らの征く道阻みたり。 「止めるな、ヴィータ」 「あたしも行くってんだよ」 「怖くはないか」 「ざけんな」 「良し!」 やはり彼女も戦士であった! ならば共にいざ征かん。 目標、お化け屋敷! 「あ、リィンも行くです、行きたいですーっ」 ―――これが、わが腑抜けぶり思い知る、実に五分前であった。 「覚悟くんたら、もう、ねえ?」 「まったく、少しは洒落のわかる男になれと言いたいが…どうした、零(ぜろ)?」 『侵略行為が行われている!』 「…なに?」 『半径50m以内、室内なり』 「なん、だと」 『追うのだ、覚悟を! はやてを!』 「言うに及ばず!」 「くるしい、ひぐっ、たすけて、息が…」 「撮るよーっ! 次は脱いでスマイル!」 「い、いやだあっ」 「お肉も脱いでスマイル!」 「ぎゃっ、ぐぶげっ!」 「バッチリ撮れたよー、お代は結構! だってボクの写真は芸術だから!」 「ひ、人喰った…お化け屋敷に、ホントにオバケ…おまえ、なに? ナニモノ?」 「ボクは戦術鬼(せんじゅつおに)、激写(うつる)! さあスマイルスマイル、撮るよーっ!」 「助け、うげぇっ」 前へ 目次へ 次へ
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リリカル遊戯王GX 第五話 ゾンビ生徒の恐怖! 駆け抜けろライトニング! 「こちら明日香、正門異常なし」 石像等を使って作られた簡易バリケードごしに外の様子を見ながら、 明日香は今やトランシーバーの役にしか立たない多機能の生徒手帳へ告げる。 十代達がいない間、アカデミアに残ったメンバーはモンスターが入ってこないように見張りを続けていた、 レイを襲った相手はすでに内部にいるかもしれないが、だからといってこれ以上侵入されては堪ったものではない。 ――それにしても、まいったわね。 明日香は今朝の食糧配給時の騒動を思い出す。 出来る限り節約するため、今日の朝食はパン一つとわずかな水だけだった、 全員が我慢をしてその明らかに量の足りない朝食を食べていた時、突然一人が「お前のパンの方が大きい!」と側の人間と喧嘩を始めた。 どこの小学生だと明日香や剣山達も呆然としていたが、 殴り合いにまで発展しそうなところでようやく仲裁に入った……エリオとキャロが自分の食事を渡そうとすることで。 「情けなさすぎるわ……」 思わず額を押さえる。 さすがにレイよりも幼い子供から食事を奪う気にはならなかったか、喧嘩をしていた二人も大人しくはなった、だが―― 深い溜息、明日香は十代達、それと付近の偵察に出たフェイトが早く帰って来る事をひたすら祈る。 「三沢君も見張り手伝ってくれればいいのにー」 明日香がいる場所とは別のバリケードで、翔は呟く、 事故によって飛ばされた三沢にはデュエルディスクがなく、当然魔法も使えない彼はモンスターへの対抗策がないため危険な見張りからはずされていた。 今は一心不乱に複雑な計算式をあたり一面に書き続け、自分の頭脳で元の世界に戻る方法を見つけようと奮闘している。 「でも、三沢さんも元の世界に戻るため頑張ってるようですし、私たちも頑張りましょう!」 「う、うん……」 キャロの言葉に翔はわずかに顔を赤くしながら頷いて答える。 はっきり言って、翔は可愛らしい女性にはとことん弱い、デュエルモンスターのカード、ブラック・マジシャン・ガールに恋をしているぐらいだ。 そしていくつもある次元世界の中でも間違いなく「とびっきり可愛い」部類に入るであろうキャロが隣にいるのだ、気が気ではなかった。 キャロは確かに子供である、だが、自分の身長を考えると意外とお似合いなのではないだろうか? そんな少し危ない妄想に翔が入りそうになった時、一人の少年の声がその妄想を打ち砕いた。 「キャロ、戻ったよ!」 「エリオ君、おかえり!」 偵察に出ていたエリオ(とフリード)に明るく応えるキャロに思わず項垂れてしまう。 自分との会話と随分温度差があるように感じた、何よりとても親しげだ、間違いなくこの少年は自分なんかよりお似合いだ。 翔は気づかれないように一つ息を吐く、 どうやら、この世界は現実逃避すらさせてくれないようだった。 一方その頃、アカデミア内に些細な喧嘩が起こっていた。 パンの大きさでもめていた二人、その一人が自分で持っていたチョコレートを食べているのを見つけて口論になっていたのだ。 ……もはや明日香でなくても頭を押さえたくなる状況である、そんな二人に、一人の生徒が近づいていった。 ――闇、心の闇……駒に相応しい。 食糧保管庫の前で、万丈目は一人座り込んでいた。 「まったく、この万丈目サンダーが何故見張りなど……」 今朝の騒動からも想像できる通り、空腹から来るストレスは相当な物になっている、 配給だけでは満足できない者が食糧を盗もうと動くことは容易に考えられた。 「兄貴~、おいら達もお腹空いた~」 「ちょっとぐらいもらってもー」 「この馬鹿ども! 見張ってる本人が盗みを働いてどうする!?」 「でも~、もうお腹減って死にそう~」 「精霊が空腹で死ぬというなら、十代のはねクリボーはどうなる! もう少しまともな嘘をつけ!」 おじゃまトリオを鬱陶しそうに払っていると、一人の生徒が近寄ってくるのが見えた。 顔を伏せ、おぼつかない足取りのその男に眉を顰めながら万丈目は警告する。 「おい貴様、食糧を求めてきたならば渡すことはできん、今すぐ帰れ!」 「あ、兄貴……あいつ、なんだか様子が変よ~?」 おじゃまトリオもその男の様子に怯えて万丈目の後ろに隠れるように下がる。 ――まるでゾンビだな。 そんな事を思いながら警告を聞かずに近づいてくる男に向けてデュエルディスクを構えた、 実体化したモンスターの攻撃で怯えさせる――それだけならばデスベルトの影響も少ないと考えていたが、そこで男に変化が現れる。 「……デュ、エル……」 「デュエル? 貴様、この俺にデュエルを挑もうというのか? 身の程知らずが、一瞬で終わらせてやる!」 「あ、兄貴、デスベルトは……」 「ふん! 挑まれたデュエルを受けないなど、俺のプライドに反する!」 そして万丈目と男のデュエルは始まり――あっという間に終わる。 手札に恵まれた万丈目が1ターンキルをやってのけたのだ。 デュエルに敗れた男はその場に倒れ、そこでようやく「デュエルに敗れた者がどうなるか」ということを思いつく。 「お、おい、無事か?」 「う……」 万丈目の呼びかけに男は呻き、命は無事だと胸をなでおろ―― 「何だ……!?」 「あ、兄貴~!」 倒れていた男がむくりと起き上がる。 それだけならばまだわかる、だが、 その後ろから目の前の男と同じような不気味な足取りで何人もの生徒がやってきていた……これも100歩譲ってよしとしよう、 一番異常だと思えるもの、それは―― 「デュエ、ル」 「デュエルしよう……」 「でゅえる、デュエルー」 全員がデュエルディスクを展開してデュエルを迫る、 さすがの万丈目でもこの光景には恐怖を感じてしまう。 だが生徒――もはやデュエルゾンビだ、ゾンビ達は万丈目を逃がさないようにか、取り囲むように歩いてくる。 「お、おい、待てお前ら……!」 「デュエルー!」 ほぼ強制的に、ゾンビの一人とデュエルを開始させられてしまう…… 「……?」 「どうしたんです、フェイトさん」 見張りを交代しアカデミア内で休憩していたフェイトは、辺りを見回して違和感を感じる。 「……人数が、少ない」 「え?」 フェイトに言われ明日香も体育館にいる生徒たちを見渡す。 確かに言われてみれば少ないようにも感じるが……別にここから動くなと言っているわけではない、 むしろグループで行動している人たちがいるのなら、人数が少なく見えるのはそれほどおかしいこととは思わなかった。 「考えすぎじゃないでしょうか?」 「そうだといいんだけど……エリオ! キャロ!」 嫌な予感、執務官としていくつもの事件や世界を回った彼女だからこそ感じ取れる独特の感覚が抜けなかった、 それを拭い去るため、キャロにこの場の守りを任せてエリオと共に見まわりに出る。 「少し慎重すぎじゃないかしら、あんなに気を張り詰めてたら倒れちゃうわ」 「フェイトさん、いつも自分の事を後回しにしちゃうんです……でも、だからこそ私とエリオ君でお手伝いするんです!」 「あなた達は、本当に強いわね……」 「俺の……勝ち、だ」 すでに十戦目……万丈目は次々に来るゾンビ達とひたすらデュエルを続けていた。 一度倒しても、他のゾンビと戦っている間に起き上がって挑んでくる、 万丈目はデスベルトの影響でどんどん弱っていき、デュエルでも戦略を考えるだけの思考能力が失われていくのを感じていた。 「く、くそ……おいお前ら……少しは、休ませろ……」 苦し紛れに呟くが、言葉など聞こえていないかのように万丈目へ近づいていく。 「ま、待て……落ち着け。そ、そうだ、今なら俺の弟子にしてやっても構わないぞ……? な、なんだったら秘蔵の天上院君の……」 これ以上デュエルをしたらまずい。 万丈目は自分の体の限界を感じ、なんとかその場を収めようとするがゾンビ達は変わらず万丈目を追い詰める。 壁際に追い込まれ、ゾンビ達から逃れる術もなく遂に―― 『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』 「っ! エリオ、今の声!」 「はい、食糧庫の方です! 今の声は……万丈目さん!?」 フェイトとエリオはデバイスを起動して全速で食糧庫へと向かう、 その途中、ゾンビ生徒にデュエルを迫られている一人の女子生徒を見つけた。 「いい加減に、してよね……これ以上やったら、デスベルトのせいで倒れちゃうわよ……」 「でゅ、える……」 「ああもう、嫌だってば!」 焦れた女子生徒がデュエルディスクをはずしてゾンビ生徒へ投げつける、 ディスクが当たっても何事もなかったかのように―― 「違う!? バルディッシュ!」 『Sonic Move』 高速移動魔法を使って女子生徒の目の前に行き、バルディッシュを構える、 その直後、巨大なネズミが飛びかかって来たのをギリギリで受け止めていた。 ―巨大ネズミ― 攻撃力1400 守備力1450 効果モンスター 「フェイトさん!」 「エリオ、ここは私が押さえる! 食糧庫へ!」 「っ……はい!」 少し迷いながらも、エリオは食糧庫へと急ぐ。 フェイトは突然実体化したモンスターで攻撃しようとした生徒を睨みつけ……恐怖する。 生気が感じ取れず、虚ろな目でこちらをただ見ているだけ……何かをしようという、生きようという意思さえ感じ取れなかった。 「な、何なのよ、これ……」 「落ち着いて、どこかに隠れて隙を見て逃げ出して」 フェイトの言葉に怯えながら少女は逃げていく、 それを横目で見て、目の前のモンスターへ斬りかかる。 「はぁぁぁ!!」 「罠カード、攻撃の無力化」 いつの間にか伏せられていたカードが開き、モンスターの目の前に空間の歪みが現れバルディッシュの斬撃を飲み込んでしまう。 始めて見る罠カードにフェイトは慌てて下がろうとするが、すでに巨大ネズミはフェイト目がけてその大きな前歯を向け噛みつこうとしていた。 「っ――盾!」 円形の防御障壁、ラウンドシールドを展開しかろうじて攻撃を受け流す。 間合いを放してバルディッシュに魔力を集中、一気に解き放つ。 「プラズマスマッシャー!」 雷撃を纏った魔力砲撃が直撃し、耐えきれずに巨大ネズミは破壊される。 ――次の手を打たれる前に魔力ダメージで昏倒させる! しかし、フェイトの動きを一つの悲鳴が止めた。 「いやぁ! 離して!」 「なっ!?」 見れば先ほどの少女を、今倒したはずの巨大ネズミが捕えていた。 予想外の事にフェイトの思考は一瞬止まり……次の瞬間にはバルディッシュのAIと共に何十通りもの救出方法をシュミレートしていく、 その間にも巨大ネズミはその口を大きく開き、恐怖で完全に動きを止めた少女へと噛みつこうとしていた。 普通の人間では頭がパンクする量の行動パターンを一度に考えるが―― ――ダメ、どれも間に合わない! 現実は無情だ、どれだけフェイトが手を伸ばそうとそれは届くことなく、巨大ネズミの歯は少女の胸に突き刺さる! 「やめろぉぉぉぉぉぉ!!」 『Trident Smasher』 怒りの咆哮と共に、その名の通り三又に分かれた魔力砲撃が巨大ネズミを貫く。 急激に魔力を消費しフェイトは荒く息をして少女を見る。 少女は倒れたまま動かない、当然だ、あんなモンスターに心臓を貫かれたら無事でいるわけがない。 ――守れなかった……! 私は、すぐ側にいたのに……!! 義兄がいたら「執務官が感傷に浸っていてどうする!」と怒鳴りつけていただろう、だが、ここにその義兄はいない、 フェイトはふらつきながら、かろうじてモンスターを呼び出した生徒を確保しようとし――気づく。 「え……!?」 『周囲、完全に包囲されています……エリアサーチ、反応区域が制限されている……!?』 無口で冷静なフェイトの相棒が珍しく焦ったような報告をしてくる。 フェイトの周りは何十人というゾンビ生徒で埋め尽くされていた、 そのうちの何人かはすでにモンスターを呼び出し、いつでも攻撃をできるような体制に入っている。 だが、逆にその状況がフェイトの頭を冷やし、止まっていた思考回路を急速に回復、加速させていく。 「バルディッシュ、まずはこの包囲を抜ける。その後エリオと合流、可能なら万丈目さんも救出して体育館まで退避! ……いけるね?」 『Yes sir』 「いい子だ」 強行突破の体制に入るフェイトだったが……神は彼女に恨みでもあるのだろうか? 「フェイトさん……」 「エリオ!? 万丈目さんはどうだった? ここは危ないから早く逃げ――」 フェイトの動きが止まる。 さっきとは違う、完全な思考停止だ、 それだけ目の前の状況は彼女にとって信じられず、受け入れたくないものだった。 「え、りお……」 「フェイトさん……」 フェイトとは家族同然の存在、スカリエッティ事件の最後ではフェイトの事を守り、 それ以降も彼女の精神的支えとなっていた少年、エリオ=モンディヤル、彼は―― 「僕と戦いましょう……!」 周囲のゾンビ生徒と、同じ目をしていた――。 続く フェイト「私は、守れない……誰も、エリオでさえも……!」 なのは「フェイトちゃん、しっかりして! 最後まで諦めちゃだめ!」 十代「万丈目! 翔! ちっくしょー! どうして、どうしてこんなことになっちまうんだよ!」 次回 リリカル遊戯王GX 第六話 最高の最悪 エリオVSスバル! スバル「エリオ、絶対に目を覚まさせてあげるからね!」 エリオ「スバルさんも戦ってくれるんですか? 嬉しいなぁ……!」 十代「今回の最強カードはこれだ!」 ―ライトニング1 フェイト=T=ハラオウン― ☆6 効果モンスター 攻撃力2300 防御力1600 名前に「ライトニング」「高町なのは」とついたモンスターが自分の場にいる場合、 その枚数×300ポイント攻撃力がアップする。 このカードが召喚された次のターン以降、魔法カードを二枚捨てこのカードを生贄に捧げることで手札・デッキ・墓地のいずれからか 「フェイト=T=ハラオウン(ライオット)」を特殊召喚できる。 なのは「負けないでね、フェイトちゃん!」 十代「次回もよろしくな!」 前へ 目次へ 次へ
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【名前】ザフィーラ 【出典】魔法少女リリカルなのはStrikerS 【声優】一条和矢(「魔法少女リリカルなのは」の高町士郎) 【種族】守護騎士(ヴォルケンリッター) 【性別】男性 【年齢】25歳程度(外見年齢) 【外見】 褐色の肌に白髪、筋骨隆々の巨躯。 【性格】 寡黙で無骨な性格。一歩引いた愛想の無い面が目立つが、それは仲間や家族の為に、常に最前の行動を取るためにしている事。 【原作での設定】 ロストロギア・闇の書が搭載する防御プログラム、ヴォルケンリッターの一員で、盾の守護獣と呼ばれる。当代の主、八神はやての家族を死なせない為、仲間達と共に闇の書を完成させようとしていた。その過程でなのは達と出会い、戦いの果てに仲間となる。その後ははやてと共に時空管理局に所属、10年後の機動六課では無所属の自由な戦力として活動している。 明確な参加時期は、初登場作品の書き手に一任。 【面識のある参加者】 名前 呼び名 関係 高町なのは(A s) 高町 激戦を経た仲間 高町なのは(sts) 高町 10年来の仲間 フェイト・T・ハラオウン(A s) テスタロッサ 激戦を経た仲間 フェイト・T・ハラオウン(sts) テスタロッサ 10年来の仲間 八神はやて(A s) 主はやて 大事な家族 八神はやて(sts) 主はやて 大事な家族 ユーノ・スクライア スクライア 10年来の仲間 クロノ・ハラオウン ハラオウン 10年来の仲間 シグナム シグナム 長い年月を共にした同胞 ヴィータ ヴィータ 長い年月を共にした同胞 シャマル シャマル 長い年月を共にした同胞 スバル・ナカジマ スバル 同じ部署に所属する仲間 ティアナ・ランスター ティアナ 同じ部署に所属する仲間 エリオ・モンディアル エリオ 同じ部署に所属する仲間 キャロ・ル・ルシエ キャロ 同じ部署に所属する仲間 【技能・能力】 能力名 内容 魔法 自身の魔力を用いて起こす技能。特に古代ベルカ式の防御系に優れる。 獣化 蒼い体毛の大きな狼に変身する能力。また消耗の少ない小型犬に変身する、「こいぬフォーム」もある。
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※一番下のコメント欄にて現在のパートを報告してくださいなー。 参考サイト→:EQ2i ◆第1章-1 「Liberating the Cavaliers 」 1:コモンランド・ Sir Groktogと話す 2:POPするMOBをKILL ★The Forgotten(177,-46,256 ) ★Lucan s Mount(3,-49,-724) ★グリFP駅(-589, -49, -623) 3:Sir Groktogに報告 4:3でもらったアイテムを使用しCrow s Resting Place, Thieves Guild にはいる@ダウンビロウ(-144, 0, -75)→Sir Wolfgang Motteから次のクエストをもらう ◆第1章-2 「A Crusade to Faydwer 」 1:A Crusade to Faydwer @GF 2:A Poem to the Past@ニュー・テュナリア 3:The Gumshoe Guide @ニュー・テュナリア 3:A Water Tight Case @ニュー・テュナリア 4:The Capture of the Living Flow @ニュー・テュナリア ◆第2章 「Knights in the Round」 1:@アカデキズム 1*「The War Ancient of Zek」の後ろにある本を調べる 2*ラストのボス「Emperor D Vinn」をやっつけてアイテム「The Tools of Vhalen」 をゲト(トレード可・ゾーンアイテム)。 2:@アントニカ~世界中 1*ヴァーレンの塔(@アントニカ)にいき「a vision of Vhalen」と会話 (鐘を鳴らしてPOPさせる)。 2*50個像を拾う。 場所参考→:EQ2i 像の名前 場所 エリア Sir Jeremy Temple of Life水の中(593, -46, -223) 北ケイノス Sir Noel 三の塔黄色ポータル 南ケイノス Sir Dandle アルケミやさん(-135, -45, -43) 東フリーポート Sir Danik 酒場(219, 3, 150) 西フリーポート Lady Aldana 破壊されたマーの塔(51, -2, 115) グレイヴヤード Sir Tallon Sludgewalkers Hatchling room(-7, 1, 61) シーブスウェイ Sir Kendrick Globule Room(-128, 0, -146) サーパント水路 Sir Motin 奥のほう(1121, -9, -762) フォレストルーインズ Sir Lyle VargonとBorthenの間の部屋(155, 7, -12) 裏切りの地下道 Lady Valerian アーデンニードル砦・2階にあがって外の右側 アントニカ Sir Fandor ブラックバロウ(43, -55, -27) アントニカ Lady Ana ストームホールド(57, -68, -152) アントニカ Sir Tankor ストームホールド(121, -22, 10) アントニカ Sir William Taros General VharTaug s Tower(-551, -31, 429) コモンランド Sir Vuldin Kyllik the Fated(-125, -51, -51) 嘆きの洞窟 Lady Tyzania Little Neriak近くの監視建物(196, 28, -115) フォールンゲート Sir Woldred Worm tunnels(751, -26, 1068) サンダリングステップ Sir Paldoras デス本部屋 ヴァースーンの廃墟 Sir Windle West Bear Cave(-1375, 29, -694) ネクチュロスフォレスト Lady Theeral 地下の隠し部屋書斎(-7.89, -13.67, -10-93) ネクトロポス城 Sir Bunynn Shadowed Shrine(719, -17, -308) ゼック島 Sir Yando デス城(7, -25, 22) ゼック島 Sir Ionis Fear Campテント内(-1025, -7, 708) フィーロット Lady Wendee Cave of Fear(-1788, -27, 447) フィーロット Sir Elliot 緑のゴーレム部屋(-70, -20, -121) カジックシュール神殿 Sir Lawrence 1階螺旋階段部屋(-36, 575, 313) ロストソウルのオベリスク Sir Lemenke 奥のほう螺旋階段(-469, 395, 499.5) ロストソウルのオベリスク Sir Dydius The Misty Mine(401, -5, -932) エンチャントランド Sir Hukkle Laughing Trout(-438, -4, -154) リバーベイル Sir Fiddin Jum-Jum tap(381, 22, 116) ドラフリングタワー Sir Magnus 水中?(167, -96, -1584) エバーフロスト Sir Thodin Banquet Table(152, 7, -430) パーマフロスト Sir Gandark ロー寺院(-427, -61, -669) ラヴァストーム Sir Rodrin Forge of Agesすぎたとこの部屋(-124, -593, 190) ソルセックの眼 Sir Cordin Glubbsunk Cove(598, 29, 164) ブッチャーブロック山脈 Lady Tera Dining Room(21, 11, 188) アンレスト Sir Hogunk Queen Varronik s Throne Room(-217, 46, -83) カラディム Lady Hilda Bank Vault・近くのネームやっつけて鍵ゲトでIN(-3, 37, -220) カラディム Lady Erynn Virosinoid Cave(-562, -6, 22) グレイターフェイダーク Sir Pumpy ドヴィンさんの後ろ アカデキズム Lady Kryss Sentry Creation Chamber(-1047, 56, -1414) ニューテュナリア Sir Andral Temple of Arcane Research(-819, 32, -1293) ニューテュナリア Sir Olstag Temple of the Fourth Guard(-512, 92, -651) ニューテュナリア Sir Gunn Temple of Growth(-445, 49, -871) ニューテュナリア Sir Dumple Steamfont Wetlands(-358, 92, 1627) スチームフォント山脈 Lady Shanna 動物園ノームいるとこ(-317, 1, -57) クラッカノン Sir Gubbin OoB近く(791, -38, 523) レッサーフェイダーク Lady Penelope West Overlook tower(250, 58, -312) ローピングプレーン Sir Erol MMC行く時の中の方(-96, -27, -50) ミストムア地下墓地 Lady Myth 水の中(-69, -101, -24) ミストムア地下墓地 1-2の2~ -- あじゅ (2007-04-08 09 50 54) 1-2の2~ -- ゆぴ。 (2007-04-08 15 45 01) 2~かなー -- あじゅ (2007-04-27 13 51 55) 1章の2・ニューテュナリアパート中 -- あいる (2007-05-27 10 44 02) 3からー -- あじゅこ (2007-10-17 18 09 24) あいるも3-・雨音ケレティンタイムあたっきゅ -- あいる・雨音 (2007-10-17 18 09 51) 名前 コメント
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魔道戦屍リリカル・グレイヴ Brother Of Numbers 第一話「ビヨンド・ザ・グレイヴ」 覚えているのは青い空…覚えているのは輝く雲…覚えているのは…… それは彼の一番古い記憶、親友と見た蒼穹の空と純白の白い雲、悠久の眠りにつく死人にまた闘争の運命が近づいていた。 男の名はブランドン・ヒートと言った、彼は孤児として生まれ同じ境遇の親友と共に紆余曲折を経てマフィアとなった、親友・仲間・ボスそして全ての愛する者を守るためブランドンは銃を取り殺し屋へとその身を堕とした。 ブランドンと親友は組織の中で不動の地位を確立したが親友はそれでは満足しなかった、親友はボスを殺し自分が組織を支配しようとしたのだ、ボスを裏切れなかったブランドンは親友に殺されその短い生涯を閉じる。 しかし死者を兵器として蘇らせる技術ネクロライズ計画により死人兵士(しびとへいし)ビヨンド・ザ・グレイヴと成った彼は最愛の女性がボスとの間に生んだ少女を守り親友を倒し数多の戦いを駆け抜けた。 そして戦いを終えた彼は深き眠りの中に落ちた、二度と醒めない筈の深き眠りに。 太陽の光の届かない地下施設、違法なる科学者ジェイル・スカリエッティの研究所の一室で意識を闇に落としていた男は目を覚ました。 「おや、目を覚ましたのかね?」 声をかけたのは白衣を着込んだこの施設の主、ジェイル・スカリエッティ、対するは隻眼の死人兵士ビヨンド・ザ・グレイヴ。 「古びたコンテナに眠る君を発見してね、勝手かもしれないが修復と蘇生をさせてもらったよ…グレイヴでいいのかな?」 スカリエッティの言葉にグレイヴは険しい目つきで答える。 「ああ名前か、私はジェイル・スカリエッティだ一応は科学者のはしくれだよ、それと君の名前はコンテナの資料から知ったよ」 スカリエッティがそう言うと彼の作った戦闘機人たち、セイン・ノーヴェ・ウェンディといった元気のある面々がコンテナから発見された荷物を部屋へと運び込んだ。 「ドクタ~これは何に使うんっすか~?」 「ああ、それは彼の身体の血液を交換するために使う専用の椅子だよ」 「そんなモンが必要なのかよ、とんだ欠陥品だなそいつ」 「本人の前で失礼な事を言っちゃダメだよノーヴェ、セインお姉ちゃんおこるよ~」 「うっせー、姉貴面すんな」 「う~妹が反抗期だ~今度チンク姉に言いつけてやる~」 「それはヤメロ!」 そうやってグレイヴの前でナンバーズがやかましく微笑ましい会話を繰り広げる、表情こそ変わらないが彼の出していた殺気が引いたのをスカリエッティは感じた。 「彼女たちはナンバーズ、私の作った戦闘機人…つまり君と同じような人工的な処置を受けた人間だよ、もっとも君は既に死んだ人間のようだが」 「えっ…その人って死んでるんっすか…ちょっと恐いっす」 「厳密に言えばね、でもこうやって生きて動いているのだから、君たちとそう変わらないさ」 怯えるウェンディにそう言うとスカリエッティはグレイヴに向き直り彼に声をかけた。 「さて、それじゃあ必要な事はこの3人から聞いてくれたまえ、私は研究に戻るよ」 「マジかよ」 「別にいいじゃんノーヴェ、最近は暇だったんだからさ」 「そうっすよ、死人も幽霊も戦闘機人には恐くないっすよ」 「恐がってんのはお前だけだろうが」 スカリエッティはそう残してその場を去り、ノーヴェたちがグレイヴの下に集まる。 「あたしはナンバーズ6番のセインだよ♪よろしくねグレイヴ」 「…ノーヴェだ」 「あたしは11番ウェンディっすよ、とりあえず服を着るっすよ」 3人は自己紹介をしてグレイヴの十字架の刻まれたスーツを差し出した、彼は目覚めの血液交換の為に上半身裸の状態だった。 服を着たグレイヴは3人に施設内を案内され様々な場所を歩いた、そして自分が眠っていたというコンテナの下にたどり着いた。 「これがグレイヴのいたコンテナっすよ」 「すごいボロボロだね~」 「ってかグレイヴっつたか、なんか喋れよ!最初っから一言も喋らねえじゃねえか」 「そう言わないっすよノーヴェ、きっと美少女だらけで緊張してるんっすよ」 そんな3人を置いてグレイヴはコンテナ内部を見た、最後の自分の記憶では仲間である十二やビリーと共に戦いを終え、“ミカ”に見守られて眠りについた筈だった。 「あっそうだ、グレイヴ、あたしこれをコンテナの中で見つけたっすよ、たぶんグレイヴ宛っすよ」 ウェンディはそう言うと古びた手紙をグレイヴに差し出した。 彼はその手紙を丁寧に開き、読み始める……そして最初の目覚めから一切の感情を見せなかった表情を悲しみに曇らせ、頬に一筋の雫を零す。 「どうしたっすか!?どこか痛いっすか?」 「どっか痛いならドクター呼ぶか?」 「グレイヴ~大丈夫?」 たった一滴の涙だったが、表情を表に出さない彼が発露するその感情の重さを語っていた。 グレイヴは自分を心配する3人の少女を見て優しく微笑み、かつて自分のファミリー“ミカ”にしたように、そっとその頭を撫でた。 「うわっ、いきなり何するの?まあ悪くないけど…」 「勝手に撫でんなよ…」 「セインとノーヴェずるいっすよ~その後はあたしっすよ!グレイヴ~」 地下の薄暗い施設に温かい空気が流れ、微笑ましい笑い声が響いた。 それはグレイヴへ宛てられた古びた手紙、送り主は最愛のファミリー(家族)、かつて愛した女性と忠誠を誓ったボスとの間に生まれた彼の相棒の一人の少女が残した最後のメッセージであった。 グレイヴへ。 あなたがこの手紙を読んでいる時、私はきっともう、この世には居ません。 専門医の先生からは後半年の命だと言われました、最後まであなたの傍に居られなくてごめんなさい。 最近は昔の記憶ばかり思い出します、スパイクや屍さんビリーさん、そしてグレイヴと一緒に駆け回ったあの時のことを… きっと私が死んだらあなたは悲しんで泣いてくれるねグレイヴ、でも私はあなたや皆に会えて本当に嬉しかったから、これだけは忘れないで。 この先あなたが安らかに眠り続けてくれるのを祈ります。 でも目を覚ましたらあなたは、また誰かを守ろうと助けようとするよね、私はそんなあなたが大好きだから、そんな時はその人を守ってあげて。 それじゃあ、ありがとう、さようなら…愛しています。 浅葱ミカ。 スカリエッティの地下施設で今日も3バカ(セイン、ノーヴェ、ウェンディ)が騒ぐ。 「うわ~ん。グレイヴ~またノーヴェがいじめるよ~助けて~」 「いじめるっす~」 「ウソ言ってんじゃねえコラ! てめえらがあたしのプリン食ったんだろうが!!」 「だっておいしそうだったんだもん」 「“だもん”じゃねえ!!」 「ノーヴェは心が狭いっすよ~」 「あんだとお!!」 作業用のツナギを着てスカリエッティが実験に使う器具を一人で運んでいたグレイヴの周りにやって来た3人はいつものドタバタ騒ぎを起こす、グレイヴは運んでいた荷物を床に置いて暴れるノーヴェの頭を撫でた。 「なんだよ…子供扱いすんなよ。」 顔を赤らめて不満そうな声を出すノーヴェにグレイヴはポケットから飴を出して渡した、最近彼はナンバーズのこういったケンカの仲裁用に何かお菓子を持ち歩くようにしていたのだ。 「ずるいっす~あたしも欲しいっすよ~」 「あたしも~」 「うっせえ! あたしのプリン食ったんだからこれはあたしんだ!」 そう言って3人はまたグレイヴの下から駆けて行った、やれやれと小さくため息をつくグレイヴに小柄な影が近づく。 「すまないなグレイヴ、妹達が迷惑をかけて。姉からあやまっておこう、それといつも面倒を見てくれてありがとう」 銀髪隻眼の小さな戦闘機人ナンバーズ5番チンクである、手のかかる妹達の面倒を見てくれるグレイヴに今日も彼女は礼を言った。 グレイヴは膝を突きチンクの頭を撫でた、かなり身長差のある彼がチンクを撫でる時は自然と膝を突かねばならないからだ。 「……グレイヴ。さすがに姉にこれは恥ずかしいのだが」 チンクは恥ずかしそうにするがグレイヴはこれに静かに微笑んで返した、ネクロライズ技術により生ける屍として兵器と成った彼はあまり口を開かない、故にこうやって彼女達の頭を撫でるのは彼なりの返事だった。 こうしてグレイヴはスカリエッティの下で色々と雑用を行いながらナンバーズの面倒を見て静かに暮らす、かつての血と硝煙に塗れた日々を忘れるかのように……しかしそんな日々は長くは続かない。 その日ノーヴェ以下いつものメンツ3人がレリックの回収として実戦経験習得のために出動したのだが予想以上の敵戦力、時空管理局の魔道師との戦いに苦戦を強いられているようだった。 救援を求める通信が入るも戦闘可能なナンバーズは他の任務に出動か調整中、ルーテシア一行も救援には来れないという状況。 その話をウーノから聞いたグレイヴは彼のコンテナ内にあった二度と使いはしないと思っていた“得物”を取りにスカリエッティのラボに向かった。 スカリエッティのラボのドアが乱暴に蹴破られグレイヴが姿を現す、彼の目はノーヴェ達を戦場に送ったスカリエッティに怒りの視線を投げかけると同時に自分の“得物”を探す。 「君か…来ると思ったよ」 スカリエッティは視線をその場に置かれていたグレイヴの得物である武器の詰まった棺桶“デス・ホーラー”へと移して説明を始めた。 「この棺を取りにきたんだろう? 弾は全弾非殺傷設定のものを込めておいたよ、転送の準備も整っているから救援に行きたければ行ってくれたまえ」 スカリエッティは転移魔法陣を指差し武器の説明を入れた、そんな彼をグレイヴは怒気を込めた目で睨みながら上腕に鎖でデス・ホーラーを固定して戦闘準備をする。 「おいおい…そんな目で見ないでくれ、彼女達は危険を承知で行っているんだから」 背に棺桶を背負うとグレイヴは転移魔法陣に向かって歩き出す、そんな彼にスカリエッティはふと質問を投げかけた。 「しかし君は良いのかね? 時空管理局とはこの管理世界の秩序そのもの、世界を全て敵に回すようなものなんだよ?」 グレイヴはその質問に銃弾で答えた、デス・ホーラーから抜かれた巨大な二丁銃“ケルベロス”が火を噴き純魔力ダメージ弾頭がスカリエッティの頬をかすめた。 「キツイ返事だねえ、随分と嫌われたものだ…」 かつて国家を動かす程に巨大な組織と二度も渡り合いそして壊滅させた最強の死人兵士が再び戦場に舞い戻る。 「ちっきしょう! なんでこんな時にセインがやられてんだよ!!」 「今はそんなこと言ってる場合じゃないすっよ!!」 ノーヴェとウェンディはコンクリートの壁を遮蔽物に管理局の魔道士の放つ射撃魔法を凌ぎながら応戦していた。 本来ならセインの能力ディープダイバーでレリックコアを回収した時点で離脱しているのだが、運悪くセインが敵の撃った射撃魔法を受けて昏倒してしまったのだ。 救援も期待できない状態で二人は気を失ったセインを連れて局の魔道師から逃げねばならなくなった。 「もうすぐガジェットの応援が来るみたいっすよ!」 固有武装ライディングボードからの砲撃で弾幕を張るウェンディが同じく自身の装備ガンナックルから射撃攻撃を撃ち続けるノーヴェに叫ぶ。 「あんな鉄屑どもが来てどうなんだよ! とにかくチャンスはそん時しかねえぞ、ガジェットがあいつらと交戦始めたらすぐにトンズラだ!!」 ガジェットの応援程度では心もとない程に敵の数は多かったが今のノーヴェ達が離脱するには最後のチャンスだった、そして駆けつけたガジェットの中の一機、飛行特化のⅡ型の上に見慣れた男が立っているのを二人は見た。 その男は背中に十字架を刻まれた黒いスーツを着て両手に巨大な拳銃を持ち上腕に巻いた鎖で棺桶のような物を背負っていた。 両の手の銃はケルベロス常人には扱えぬ死人兵士用の巨大銃、背負った棺桶は彼の為に作られた武器を満載した棺桶デス・ホーラー内部に過剰なほどに火器の内臓された棺だった。 その男グレイヴはかつて使った武器の数々を引っさげて、上空を通り過ぎたⅡ型ガジェットから飛び降り管理局の魔道師の只中に着地した。 「うわあ! なんだこいつ…」 「動くな! 我々は管理局の…」 口々に叫ぶ局の魔道師だったが彼らがその言葉を言い切ることは無かった、次の瞬間には彼ら全員はグレイヴが超高速で乱射した二丁銃ケルベロスの銃弾を受けて倒れたからだ。 100人は下らない数の管理局の魔道師が一切の反撃を許されずに倒れた、空中に棺を放って完全に自由になった両腕でケルベロスの銃弾を嵐のように撃ち出す技“Executioner’s Blood”この魔技を逃れられる者などいないのだ。 かつて死神とまで言われた最強の死人兵士が再びその手に銃を持ち、新たなファミリー(家族)の為に再び戦場に舞い降りた。 「グレイヴ…なんでここに来てんだよ? べ、別にお前の助けなんてなくたってあたしらだけで何とかしったっつーの…」 いつもの優しい様が嘘のような凄まじい戦いを見せるグレイヴにいささか狼狽しながらノーヴェが口を開く。 「なんでノーヴェは素直になれないっすかね~。ありがとっすよグレイヴ♪ あたしから素直じゃないノーヴェの分もお礼を言っとくっす」 「つまんねえこと言ってんじゃねえ!」 二人はいつものように軽くじゃれあう、その様子に少し微笑むグレイヴだが気を失ってライディングボードに乗せられたセインに心配そうな目を向けた。 「あ…セインなら大丈夫っすよ。射撃魔法の魔力ダメージで気を失ってるだけっす」 セインを心配そうな目で見るグレイヴにウェンディはそう答えて彼を安心させた、その時彼らにスカリエッティから通信が入る。 『あ~やっと通信が入ったよ。全員大丈夫かね?』 「ドクター遅いっすよ~」 「そうだよ。何やってんだよまったく…」 『そう言わないでくれ、これでも局の通信妨害が酷いんだよ。ウーノが調整中なんだからしかたないだろ? それに心強い味方が来たじゃないか』 スカリエッティの通信に文句を言う二人をやれやれと見るグレイヴだったが首筋に感じた寒気、第六感を刺激する感覚に目を遠方に向ける。 『おや、管理局の増援のようだね。これはこれは…機動六課の皆様方みたいだよ』 「マジっすか!? 早く逃げるっすよ~」 「そうだな。おいグレイヴ早くしようぜ!」 ノーヴェがグレイヴに声をかけた瞬間、グレイヴは手のケルベロスを構え銃火と共に弾頭をはるか遠方に撃ち出した。 「きゃああ!!」 眉間に魔力ダメージ設定の弾丸を受けて少女ティアナ・ランスターは倒れた、遠距離からの狙撃弾で敵を無力化しようとした彼女だったが、敵は幻術でカモフラージュする彼女に先に撃ち倒したのだ。 「ティア!」 相棒であるスバルが思わず声をかけたが既にティアナの意識は深い闇の底に落ちていた、少なくとも1時間は意識を取り戻さないだろう。 「スバル! ティアナは他のみんなにまかせて先に敵を叩くよ!」 「わ、分かりました」 スターズ分隊隊長、高町なのはの声にスバルはティアナを他の隊員に預けなのはと共に犯人を制圧せんと駆けた。 「敵さんが来ちゃったみたいっすね…」 「ちっきしょう…もう来やがったのかよ。こうなったら全員で応戦して逃げ道作るぞ!」 早すぎる敵の来襲に決死の覚悟で交戦の意気を高めるノーヴェとウェンディの頭を大きな手が優しく撫でた。 「ちょグレイヴ何するっすか~」 「な、なんだよ」 グレイヴは優しい微笑みを見せてから、戦意を宿した鋭い眼光を二人に投げかけたそれは二人が見る初めての彼の本気の顔、決して揺るがない意思を持つ戦士の顔だった。 「…ノーヴェ、ウェンディ」 そしてグレイヴはこの世界で初めて口を開く、静かに澄んだそして熱い心を宿した言葉と瞳で彼は二人に語りかけた。 「…二人は逃げろ。俺が食い止める」 「なっ! グレイヴを置いて行けないっすよ!」 「そうだよ誰が置いてくかってんだ!…それに喋れるなら早く言えよ」 反論する二人にグレイヴは鋭い眼光を浴びせて黙らせたその目は一切の妥協を許さない意思を持っていた、二人はそれ以上口出しできず結局グレイヴを残して脱出することとなる。 『大丈夫だよ二人とも。今ガジェットの大部隊とルーテシア達の準備を整えているからね、彼だけならルーテシアの遠隔転送で後から回収可能だ』 「…わかったよ。いいかグレイヴ! 絶対帰れよ約束だかんな!!」 「…ああ」 静かに答えるグレイヴにノーヴェが寂しそうな瞳を向ける、二人を乗せてウェンディのライディングボードが飛び去った。 『さてグレイヴ君、君の棺のエネルギーチャージはもう済んでいるだろう? 思う存分に使ってくれたまえ!』 インカム越しに響く耳障りなスカリエッティの管制を受けながらグレイヴは近づいた気配に二丁の巨銃を向けて銃火の花を咲かせた。 「くっ! なんて弾幕なの!」 高町なのはが思わず呻く、彼女を含めた機動六課の隊員達を迎えたのは背に棺を担ぎ雨のように銃弾を吐き出す二丁の銃を操る黒衣の男だった。 誘導弾を牽制として大量に撃ち出すもその全てが銃弾に叩き落されるのだった、そして接近戦に持ち込もうとしたスバルがウイングロードを駆けて腕の鉄拳を振るった。 「喰らえええ!!」 大きく振りかぶって出されたスバルの鉄拳を黒衣の男グレイヴは背の棺で難なく防ぐ、相応の威力を誇るスバルの拳を微動だにせず受け止めさらに力任せにスバルを棺桶で吹き飛ばす。 「きゃああ!!」 「スバル!」 グレイヴはスバルに駆け寄るなのはに容赦なくケルベロスの銃弾を撃ち出す、なのはは防御障壁を展開しながらスバルを助けに向かう、そしてなのはに追撃を続けるグレイヴに紅い騎士が踊りかかった。 「こっちだデカブツ! ラケーテンハンマー!!」 スターズ分隊副隊長ヴィータが手にしたデバイス、グラーファイゼンの強烈な一撃をグレイヴに振るう、さしものグレイヴも吹き飛ばされ瓦礫と土煙の中に埋もれる。 「大丈夫かなのは!」 「大丈夫だよ、スバルは一旦下がらせたし。それよりあの人大丈夫かな。ヴィータちゃんちょっとやりすぎじゃあ」 「なに言ってんだよ! これくらいまだ手加減したくらい…」 そんな会話を続ける二人の前で瓦礫を蹴り飛ばし立ち込める煙を割って手に二丁の巨銃を背に棺を持った死神が這い上がる。 「嘘だろ…」 「まさかあの一撃を防御障壁なしで…」 グレイヴは驚くなのは達に再び手の二丁銃を向ける、デバイスを構えて応戦の準備をする二人がそれぞれに口を開いた。 「待って下さい! なんであなたはこんな事をするんですか? 戦闘機人…彼女達が何をしているか分かっているんですか!?」 「お前も戦闘機人なのか!? なんか訳があんのか!? もし何か理由があるんなら管理局はちゃんと話しを聞く!」 なのは達の言葉にグレイヴは手の巨銃を棺にしまった、その行動に二人は顔を緩めるが彼の行為は別に降伏の合図などではなかった。 「…守る」 「えっ?」 「…俺はファミリー(家族)を守る」 グレイヴは静かな声と共に背の棺桶を肩に担いだそれはエネルギーをチャージの終わったデス・ホーラーの大技、大型のロケットランチャーを正面に撃ち出す“Death Blow”だった。 ランチャーが迫りなのはとヴィータは慌てて防御障壁を張りその攻撃を防いだ、軋む障壁でなんとか防ぎきり爆炎の晴れた二人の視界からはもう既に男は消えていた。 続く。 目次へ 次へ
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魔法少女リリカルなのはStrikerS――legend of EDF――"mission10『セカンドアラート』" ――新暦七十五年 五月十三日 十二時三分 聖王教会本部―― 三百年以上の歴史を誇る次元世界最大の宗教『聖王教』 古代ベルカ時代に聖王によって作られたこの宗教は、ベルカ人だけではなくミッド人の信者も数多い。 風光明媚な各地の教会は観光名所としても名高く、その中でも一番有名なのは、やはりミッドチルダ北部にある総本山だろう。 ビルのような無機質な建物とは違い、教会本部の大聖堂はその建物自体が芸術といえるほどの豪華さを誇っている。 様々な装飾を施された柱や壁。天井にはめ込まれたステンドグラスは、陽光を浴びて光り輝き聖堂内に神秘的な雰囲気を作り出している。 所々に飾られた彫刻や絵画は単なる芸術品ではなく、名高い偉人達が聖王の偉業や伝説をモチーフにして作った宗教的価値の高い作品達だった。 聖王教会教会騎士兼時空管理局理事官カリム・グラシア少将は、聖堂の一画にある事務室で書類の作成に勤しんでいた。 書類の内容は『アンノウン』対策本部へ送るための報告書だった。 『アンノウン』の出現から二ヶ月以上。被害の拡大に伴い管理局の危機感も本局、地上本部ともに高まり続け、 最初は本局のみの小規模組織だった対策本部も今や本局と地上本部の合同組織となり、三千人以上のメンバーを有するほどになっている。 リンディを始めとする『クラウディア事件』の面々も加わり、ラルゴ元帥の計らいで旧式だが数隻の戦闘艦を所持できるようになった。 カリムも聖王教会代表として協力しており、被害の集計や報告書の作成など裏方の仕事を淡々とこなしている。 だが、彼女がどれだけ貢献しようとも、事は一向に良くならないのが現状だった。 この事件に対して今後どうすべきかについて、本局と地上本部の意見がまったく一致しないのだ。 地上本部が意見を述べれば本局が横槍を入れ、本局が意見を述べれば地上本部が反論を。 メンバーの多くが己の面子や利益を最優先とし、いつのまにか、考えていることは相手の足を引っ張ることばかりになっている。 対策組織がこんなていたらくでは、被害者達も草葉の陰で号泣していることだろう。 それでも『アンノウン』の跳梁だけは何としても阻止しなければならない。 それが今の彼女の勤めであると同じに、亡くなった弟や被害者への最大の供養であるとも思っていたからだ。 「騎士カリム、騎士はやてがいらっしゃいました」 傍らに映し出されたホロスクリーン。来客を告げたのは、教会騎士シャッハ・ヌエラ。 紫の髪を短く切り揃えた彼女は、カリムの友人であり、教会騎士団内でも上位に位置する実力者でもある。 「早かったわね。私の部屋に来てもらってちょうだい」 そう答えると、シャッハに茶菓子の用意をお願いすると、カリムは書類の出来を確認してペンを置いた。 ほどなくして、修道士に案内されて客人が部屋にやってきた。 やってきたのは砂漠民のようなローブを着た人物だった。フードを被っているので顔はわからない。 客人がフードをはねあげた。 その下から現われたのは、見るからに純朴な女性の姿。 薄茶色のショートカットが唯一の特徴である女性らしい柔和な容貌。 着ているものがブレザーなどの制服だったらそのまま女子校生として通用しそうな雰囲気だ。 「カリム、久しぶりや」 彼女の名は八神はやて二等陸佐。古代遺失物管理部機動六課の部隊長である。 ―― 「ごめんなぁ、すっかりご無沙汰してもうて」 カリムの事務室には客人をもてなすためのスペースも用意されている。 ローブを脱いだはやてはそこに案内され、シャッハが用意してくれた紅茶を飲みながらカリムに笑いかけた。 はやては二等陸佐でカリムは少将。 本当はタメ口をきくことなど許されない関係だが、カリムははやての古い友人であり気心が知れている。 なので、他人の目が無いところでは、互いにただの友人として接することが出来ていた。 「気にしないで、部隊の方は順調みたいね」 「うん、カリムのおかげや」 はやては頷いた。 機動六課を設立する際、カリムは後見人の一人として部隊運営に少なからず協力していた。 残りの後見人は本局総務統括官のリンディ・ハラオウンと人事部のレティ・ロウラン。 それに加えて本局の重鎮『三提督』も非公式であるが設立を認めていた。 彼等の助けもあって、はやては部隊を構成するための人材集めに集中することができたのだ。 と、言っても新人以外で集まったのは、はやての身内や友人ばかりだが、それでも高い能力を持った実力者であることには変わりない。 部隊設立の理由はロストロギア災害への対策と迅速な行動が可能な少数精鋭部隊の実験例。『表向き』ではそうなっていた。 「私のおかげか。そういうことにしとくと、何かとお願いしやすいかな?」 カリムは中身の無くなったカップを静かに置いた。 「なんや、今日会って話すんはお願い方面か?」 今までの柔和な雰囲気から一転、真顔に戻ったカリムはホロスクリーンを呼び出しコンソールを操作した。 カリムがはやてを呼んだのは、彼女と茶会がしたかったためではない。相談したいことがあったからだ。 ヘタをすれば、次元世界全体に関わるほどの問題についての相談が。 照明が落とされ、二人の周囲に大小様々なホロスクリーンが浮かび上がる。 そこに写っていたのは、黒い巨大蟻の姿だった。 「なんやこれ? 蟻さん? にしてはちょっと大きすぎるような……」 「新種の生物よ。『アンノウン』の出現とほぼ同時期に次元世界各地で発見されたの。 詳しい生態はまだ不明だけど、調査に行った局員が何度が被害を受けているわ。 ロッサの調査団を皆殺しにしたのも、こいつらよ」 「ロッサを! せやけど、おかしいやん。そんな生き物のことわたし今まで聞いたこともなかった」 「巣に近付かなければ襲ってこないからそれほど重要視されてなかったの。 手を出さなきゃ害のない生き物よりも船を襲う『アンノウン』の方が危険だって考える人の方が多かったしね。 次元世界によっては別種の巨大生物も目撃されてるわ。赤い蟻だったり蜘蛛だったり。 ミッドチルダでは、南の火山地帯で四十メートルクラスの生物の影が数匹観測されたり、 中央の海溝ではもっと大きな四足の人工物の存在が確認されてる。 二つとも場所が場所だからまだ回収作業もちゃんとした調査もされてないけど……それと、これを見て」 ホロスクリーンの映像が切り替わる。 今度の映像は銀色の巨大ロボットだった。 頭部のない丸っこい上半身と背骨を剥き出しにしたような形の下半身。 そこから伸びる手足は異常に細長く、少し歩いただけで倒れてしまいそうだ。 右手首は指のない突起状。左手首はアサルトライフルのような形になっており、それらの存在がこのロボットが兵器であることを示している。 それにしても、見るからにがりがりで頼りないロボットだ。 無駄な贅肉はおろか、必要な筋肉すら削ぎ落としてしまったようにも思える。 並の陸士の砲撃を食らっただけで簡単に壊れてしまいそうだ。 ロボットの映像をじっと見つめながらはやてはそう思っていた。 「これは……?」 「昨日ミッドチルダの西部で発見されたロボット。詳しい性能はまだ不明だけど、大きさはちょっとしたビルくらいはあるそうよ」 「それで、今このロボットはどうなってん?」 「今日明日中に地上本部の研究施設へ列車で輸送されることになってるわ。転送魔法を使えば危険はないんだけど……」 「陸で転送使える人はあんまりおらへんからなぁ」 はやての呟きにカリムは頷いて答えた。 事実、少ない予算と戦力をやりくりしている陸上本部には転送魔法を使える魔導師はほとんどいない。 その一握りですら本局がスカウトしていくため、陸は本局以上の人手不足に陥っているのが現状だ。 なので、陸上本部は本局なら転送魔法ですませるような輸送でも、列車や陸路などといった旧来の方法を使うしかないのだ。 「近頃は船舶の被害は出なくなったし、『アンノウン』の目撃情報も段々減っていってるわ。 巨大生物だって、このごろは巣からまったく出ようとしなくなってるし、巣によっては一匹残らず消え去ったところもある。 対策本部では状況を楽観視する人もいるけど……私は不安なの。もう船を集める必要もなくなって、偵察もしなくなったってことは……」 はやては顎に手を当て、数秒間だけ考え込んだ。 そして、とある結論に辿りついた途端、はやては顔をさっと青ざめ慄然とした。 「まさか……攻撃開始が近いってことか?」 「今はまだ断言出来ないわ。そうなるっていう決定的な証拠はまだなにもない。けど……だからこそ会って話しておきたかったの。 これから何が起ころうとしているのか、どう動くべきか。まだ対応が間に合いそうな今のうちに。 対処を失敗するわけにはいかない。もう、ロッサやクロノ提督みたいなことは、ごめんだもの」 それっきりカリムは押し黙ってしまった 何かに耐えるように俯いて、瞼を閉じて唇を噛み締めている。 おそらく、死んだ弟のことを思い出しているのだろう。 ロッサの遺体は欠片も戻ってはこなかった。 彼の体はバラバラに引き裂かれ、ただの肉片となって洞窟中に散らばっていた。 その肉片を全部かき集めても一つの体にはならなかったらしい。半分以上がロッサを食らった蟻の腹に納まってしまったのだ。 僅かに残ったロッサの遺体も、その後の襲撃で次元の海に消えてしまった。 クロノも同じようなものだ。 次元艦艇の爆発は何千度という熱と猛烈な爆風を生む。 クロノの体は骨の髄までドロドロに溶かされ、欠片も残らなかったに違いない。 葬式のときは、遺体の代わりに予備の制服が棺の中に入れられた。 葬式にはクロノを慕う部下や友人達が集まり、はやても家族と一緒に式に参列した。 エイミィは泣きじゃくる子供達を励まし、リンディは一切の感情を殺したように機械的に喪主を務めていた。 そうしていなければ、リンディは子供を失った悲しみと怒りに耐えられなかったのだろう。 クロノの義妹でありはやての親友でもあるフェイト・T・ハラオウンはなんでもない様子だったが、翌日会ったときには両目を真っ赤に腫らしていた はやては彼女等の気持ちがほんの少しだけわかるような気がした。 なぜならはやても家族を失った経験があるからだ。しかも、自身の目の前で。 『彼女』と過ごした時間は確かに短かったし血の繋がりもない。 だけどはやてにとって『彼女』は大事な家族だった。 はやてや皆のために自身の消滅を決めた『彼女』 助けられなかった、止められなかった、幸せすると決意したのに出来なかった弱い自分。 まさに、世界はこんなはずじゃなかったことばかりだ。 (せやけど……) はやては表情を引き締めて、コンソールを操作してホロスクリーンを消した。 「はやて……?」 怪訝な顔をするカリムにはやては「まあ、なにがあってもきっと大丈夫」と言いきった。 「カリムが力を貸してくれたおかげで、部隊はもう何時でも動かせる。 即戦力の隊長達はもちろん、新人フォワード達も実戦可能。予想外の緊急事態にもちゃんと対応できる下地ができてる。 そやから、大丈夫! ロッサの仇もクロノ君の仇も、みんなわたしが取ったるよ」 はやての脳裏に浮かんでいるのは機動六課の堂々たる面々のことだった。 エースオブエースと呼ばれる『スターズ分隊』隊長高町なのはと『ライトニング分隊』のフェイトはまさに六課の主砲。 副隊長である『ヴォルケンリッター』は、はやての家族であると同時に凄腕の騎士達でもある。 指揮官を身内で固めることに批判があるのも事実だが、それでも彼女等が優秀な戦士であることに変わりない。 フォワードの新人四人はまだ頼りないものの、鍛えていけば隊長陣に匹敵するほどの猛者になるはずだ。 前線部隊を補佐する役目が後方支援専門の部隊『ロングアーチ』 これらにSSランクの自分が加われば、どんな敵が相手でも負けることなどあるものか! (そうや、何があっても大丈夫。わたし自身もつよなったし、力を貸してくれる皆もおる。 『闇の書』の時とは違う。あんな悲しみとか後悔なんてもううんざりや。 今度こそ、わたしは助けられる側から助ける側になるんや) 身につけた強さは自信の源となり、自信が産み出す勇気は勝利と栄光への道しるべとなる。 しかし、時として強すぎる自信は過信へと姿を変え、勇気は蛮勇へと変化する。 それらが導く先は、輝かしき勝利ではなく、泥にまみれた無残な敗北である。 八神はやてと機動六課。彼女達が進む道は栄光へのロードか、それとも…… 一方その頃―― 「冗談ではない! そんなことできるわけないだろう!」 スカリエッティのアジトでも似たようなやり取りが行われていた。 戻る 目次へ 次へ